出会いから3年4カ月…高野健一容疑者が犯行に至るまでの“心の変化” “最上あい”さんの動画配信見てファンになるも金銭トラブルで裁判に
(過去の裁判記録 2023年11月20日の陳述書より)高野健一容疑者:
佐藤愛里さんは、令和3年12月、動画配信していて、私がこの動画を見て、佐藤さんの存在を知りました。
初めて画面の向こうにいるその人を見てから3年4カ月。
(高野容疑者と佐藤さんのSNSのやりとり 過去の裁判記録より)高野健一容疑者:ずっとだいすきでいたいから元気でいてね佐藤愛里さん:
まかせて
事件までの2人の足跡を追うと、浮かび上がってきたのは、逮捕された42歳の男が犯行に至るまでの心の変化だった。
(過去の裁判記録 2023年11月20日の陳述書より)高野健一容疑者:
私は、佐藤さんとの関係を進展させたいという思いを抱いて、現金を貸しました。だまされたような気分です。
栃木から山形まで足繁く通う
3月11日、新宿区の路上で動画を配信していた佐藤愛里さん(22)が、首などを刺され殺害された事件。殺人の容疑で送検されたのは、高野健一容疑者(42)。
高野容疑者は、栃木県小山市内のアパートで一人暮らしをしていた。
高野容疑者が住むアパートの管理会社社長:金額的には(家賃)3万円でお入りいただいております。暴れるとか奇声を上げるとか、苦情みたいなものも聞いたことはなかったんですね。
周囲とのトラブルや、変わった様子などもなかったという高野容疑者。2人はいつ接点を持ったのか?
高野容疑者が佐藤さんのライブ配信を見始めたのは2021年12月。当時19歳だった彼女のファンになり、直接連絡をしたことで個人的なやりとりが始まったという。
その頃、地元・山形市の飲食店で接客業をしていた佐藤さん。2022年8月、高野容疑者は栃木から新幹線に乗って山形市へ。往復約1万8000円をかけて佐藤さんが働く店を訪ねていた。さらに翌9月には2回、10月にも1回と、佐藤さんの元に足繁く通っていたという。
これは、その頃のLINEのやりとり。
(SNSでのやりとり 過去の裁判記録より)佐藤さん:ちょっとまじでお願いしていい?高野容疑者:なんじゃい?佐藤さん:
申し訳ないんだけどさ、昨日日雇いバイト行った先に財布忘れちゃってまじ手持ちない状態だから、ちょいお金貸してほしいんよね。明日か明後日取りいくときに返すから
お金を口座に振り込んで欲しいとお願いする佐藤さんに対し…。
(SNSでのやりとり 過去の裁判記録より)高野容疑者:4万円でいいかな佐藤さん:お願いします高野容疑者:
全然だいじょぶだよー
これ以降も、高野容疑者は複数回に渡りお金を貸していた。佐藤さんは、なぜ金を要求したのか?彼女を知る人たちを取材すると…。
高校時代のバイト先のレストラン店長:(佐藤さんが)16歳ぐらいの頃だと思いますね。ホールでちょっと席片付けたりとか、お水持っていったりとか。
佐藤さんは、高校時代の16歳の頃から、レストランやカラオケ店でバイトを掛け持ちしていたという。
高校時代のバイト先のカラオケ店員:バイトばかりやっていたから、高校にはあまり行っていなかったと思います。18歳くらいまでウチの店にいました。
それと前後して始めたのが、飲食店での接客業。
佐藤さんが働いていた店の元同僚:フレンドリーですごくいい子だなって。お客さんが結構来てるなっていうイメージ。すごく頑張ってるなっていう感じ。
その一方で、近所の飲食店では…。
佐藤さんの地元の飲食店店主:(佐藤さんの)つけ払い まだ未回収だって。働いていたお店の方にも借金があって。
お金に困っていた様子の佐藤さん。
佐藤さんの友人の親族:ある日突然(佐藤さんが)いなくなった。お母さんとかお姉ちゃんも分からない。
家族とは疎遠だったのか、佐藤さんは多くは語ろうとしなかったという。
貸した250万円以上の返金を求め裁判
そんな中で、かねて行っていたライブ配信を通じて出会ったのが高野容疑者だった。その好意に頼りすぎたのか、借りた金額は合計250万円以上。佐藤さんを知る男性によると、その頃から高野容疑者にも変化があったという。
佐藤さんとSNSでやりとりをしていたファン:お金貸すからもっとデートしたい、二人きりでどこか行きたいとか。お金貸すから彼氏に、みたいな感じ。もう言ったらストーカーみたいになっていた。
2人の間に金銭トラブルが生じると、佐藤さんは配信活動を休止。すると高野容疑者は、2023年8月、裁判に打って出た。貸した250万円以上の返金を求める訴えを起こし、その後、佐藤さんに支払いを命じる判決が出た。
その裁判記録をひも解くと、高野容疑者の言い分が…。
(過去の裁判記録 2023年11月20日の陳述書より)高野容疑者:
私は、佐藤さんとの関係を進展させたいという思いを抱いて、困っている佐藤さんを助けたいという思いから、要求されるまま現金を貸しました。しかし佐藤さんは、3万円を1回返済しただけで、その後はまったく返済しません。それどころか、佐藤さんは行方知れずになるなどしてしまい、佐藤さんにはだまされたような気分です。
一方の佐藤さんは、2024年2月、配信活動を再開し山形から上京。すると…
佐藤さんが配信を始めた5年前からのファン:最高レベルに、プラチナ+(プラス)になったのが3カ月ぐらい前だったと思います。(月)100万以上だと言われています。
人気を得た佐藤さんは、投げ銭の収入が月約100万円に達していたというが、ファンによると、高野容疑者のアカウントはブロックされていたという。そして…。
高野容疑者の供述:借金を返済しない佐藤さんが配信をして稼いでいくことにやりきれない気持ちになりました。
告知でライブ配信知り上京
(事件前日の配信)佐藤さん:
お願いがあって、山手線1周するんですけど。サイコロでやるんですけど。
前日に告知されていた、山手線徒歩1周のライブ配信を知った高野容疑者は、朝、電車に乗り、栃木から上京した。そして、11日午前9時50分ごろに事件が発生した。
高野容疑者の供述:佐藤さんの着ている服を配信で確認して探していた。前から歩いてくる佐藤さんが見えて、近づいて刺した。
事態は、最悪の結末を迎えてしまった。
高野容疑者の供述:投げ銭は多い時で月に10万円ほど使っていた。消費者金融2社から100万円を借りていた。それを送金に使った。事件を起こせば佐藤さんが自分に対してしたことを世の中に知ってもらえると思った。
(「Mr.サンデー」3月16日放送より)
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