【正体判明】北斗七星の方向から謎の電波が2時間おきに届く 「矮星の連星」が一直線に並ぶタイミングか

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北斗七星から電波を受信するイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

長年の謎であった、北斗七星の方向から2時間おきに届く謎の電波の正体が遂に解明されました。本記事では、なぜ電波が発生していたのかをはじめ、初めて発見された画期的な成果についても紹介していきます。

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■正体は「矮星の連星」

矮星の連星のイメージ 出典:Daniëlle Futselaar/artsource.nl

北斗七星の位置するおおぐま座の方向から約2時間おきに届いていた、30〜90秒間の謎の電波信号。その正体がついに明らかになりました。国際研究チームの観測により、発信源は地球から約1600光年離れた「赤色矮星」と「白色矮星」という2つの小さな恒星からなる連星系であることが判明したのです。この発見は、英科学誌『ネイチャー・アストロノミー』に3月12日付で発表されています。

この連星系は「ILT J1101」と名付けられており、2つの星がわずか約2時間(正確には125.5分)で互いの周囲を公転しています。研究チームによると、赤色矮星と白色矮星の間で強い磁場が相互作用することで、「長周期電波過渡現象(LPT)」と呼ばれる周期的な電波パルスが発生しているとのことです。

従来、こうした周期的な電波は中性子星(超新星爆発後に残る高密度な天体)から発せられると考えられており、LPTもその一種だとされてきました。しかし今回の発見は、中性子星を含まない連星でもLPTが起こる可能性を初めて示した、画期的な成果となりました。

■二つの星が一直線上に並ぶタイミングが鍵

オランダに位置するLOFAR 出典:LOFAR / ASTRON

研究チームはヨーロッパ各地にある電波望遠鏡「LOFAR」の観測データを解析し、2015年に最初の電波パルスを発見。さらに同じ方向に6つの追加パルスを見つけ、その発信源を追跡してきました。その後、アメリカの大型光学望遠鏡を用いた観測により、赤色矮星の周期的な動きと、それを引っ張る別の星の重力の存在が明らかになります。質量などのデータから、引き合っている相手が白色矮星であると突き止められました。

この電波が発生する条件は、両者の磁場が重なり合い直線上に並ぶタイミングであり、その際に電波が地球に届いていると考えられています。これは従来の電波天文学の常識を覆す発見であり、今後の研究に大きな影響を与えると期待されています。謎の電波と聞くとついつい宇宙人やSF的なことを思い浮かべてしまいますが、皆さんは正体は何だと思い浮かべましたか?ぜひコメントお待ちしております。

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