帰宅6時間! 満員電車に乗りたくないので新宿から「シェアサイクル」で退勤しようとしたら…判断をミスって掲載できない感じになった
4月から新生活を始めた皆さん、東京の満員電車の恐ろしさにはもう慣れただろうか? 私(あひるねこ)はというと……まったく慣れない。都内に15年住んでも慣れる気配がない。常に新鮮に苦しんでいる。
あんな移動式無間地獄にはなるべく乗りたくないので、今回は新宿から八王子方面まで「シェアサイクル」で退勤してみることにした。これならきっと快適に帰宅できるだろう。行くぜ!
・チャリで退勤
当編集部は新宿にあり、私はいつも八王子方面の自宅からJRで通っている。昨年、八王子から新宿まで初めてシェアサイクルを使って出勤したのだが、撮影など込みで約4時間もかかってしまった。給料泥棒すぎるだろ。
しかし、あの時の私はまだまだシェアサイクル初心者。「チャリで行く!」を連載している今なら、きっともっと上手いことやれるはず。いや、やってやるって!
それではお先に失礼します!!
……と思いきや、新宿って意外とシェアサイクルのステーションがないのな。新宿御苑の周辺など、普通はありそうなものだが。
結局、新宿駅南口の小田急サザンタワーまで歩く羽目に。20分近くかかったぞ。早くも疲れつつあるが……。
ロックを外したら退勤準備OK。
よし、チャリで家帰る!
・1年ぶりの死闘
というワケで、大混雑の新宿駅を横目に私のエクストリーム退勤劇が幕を開けた。昨年同様のルートで、しばらくは甲州街道を西へ西へと爆走していく。
八王子まで38kmか……。
首都高の下道を走るのも前回と同じだが、今回は途中で道を変えようと思う。なぜならこの先、甲州街道の道幅の狭さが異常だからである。
去年、自転車ナビマークがあったので車道を走ろうとしたら、車との距離が3cmくらいで死を覚悟したぞ。怖すぎ。
そのため今回は、少々遠回りにはなるけども環七の交差点を左折して、世田谷通りから帰ろうと思います。
途中、井ノ頭通りを通過し……
都内では珍しい路面電車・東急世田谷線に遭遇。
あとはひたすら世田谷通りを直進だ。
そろそろ日が落ちてきたか?
そういえば狛江(こまえ)って初めて来た気がするな。世田谷区の隣だったのか、狛江市って。
・恐ろしくスムーズ
新宿を出発して約1時間。ここまで大きなトラブルもなく順調に来ている。これは予定よりだいぶ早く到着するのではないか? 満員電車に乗らなくていいって最高! チャリ退勤最高ォォォォオオオオ!!
ところが……!
その直後、私の目に飛び込んできたのは欲望と誘惑、狂気までもが渦巻く、あまりにも無慈悲な光景だった。
あ、あれはまさか……! そう……
焼肉きんぐ……!!
・出会ってしまった
極めて個人的な話だが、現在の自宅から「焼肉きんぐ」までは非常に離れている。わざわざレンタカーを借りないといけないくらい遠いのだが……なんと今、その「焼肉きんぐ」が目の前に!
しかも今日は手がかかる子供もいない。私一人である。こんなチャンスは数年に一度あるかないかだろう。いやしかし……まだまだ先は長い。どうする? 何が正解だ!? いろいろ考えを巡らせた結果……
チャリできんぐ寄った!
・寄り道きんぐ
注文したのは、もちろん王道の『きんぐコース』である。きんぐカルビ、厚切り上ロース、壺漬けドラゴンハラミなどを次々召喚。王になる準備が整ったら、まずはビール……
ではなくコーラを疲れた体に叩き込み……
焼く!
焼く!!
さらに焼く!!
燃えてきたァァァァアアア!
と思ったらクールダウン──。
・堪能きんぐ
100分間たっぷり楽しんだ後、店を出たのだった。さあ、十分すぎるくらい充電できたので、あとは元気に帰るだけだ。
するとここで……
大きな川にぶつかった。
多摩川である。
・第2ステージ
Googleマップによれば、ここから先は川沿いをひたすら走るらしい。多摩川は景色がいいので大歓迎だぞ。それでは記念に1枚。
チャリで多摩川来た。
一本道なので迷うこともないだろう。自然を眺めながらのんびり帰ろうと思う。たまには電車に乗らずに帰宅するのもいいものだ……。
が!!
この数分後、私は自分がとんでもない判断ミスを犯してしまったと気づくことになる。そして気づいた時にはもう、何もかもが手遅れだった。
絶望と緊迫の後半戦は、次のページへGOだ。
参考リンク:HELLO CYCLING、焼肉きんぐ 執筆:レンタチャリ師・あひるねこ Photo:RocketNews24.
ScreenShot:HELLO CYCLING(iOS)
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地獄の満員電車を回避するため、新宿から八王子方面までシェアサイクルで退勤することにした私(あひるねこ)。
途中、「焼肉きんぐ」に吸い込まれるという不可避のアクシデントに巻き込まれたものの、無事に多摩川まで辿り着いた。あとは景色を眺めながら のんびり走るだけ……
と思ったのも束の間。異変が起きた。
え!?
・本気でお先真っ暗
気づくといつの間にか周囲は闇に包まれ、場所によっては数メートル先すら見えない状態になってしまったのだ。ちょっと待って、世界終わった? そう疑わざるを得ないくらいの圧倒的ダークネス。
あまりにも暗すぎて、いつまで経っても目が慣れない。土地勘がない場所でこの暗さは怖すぎるだろ。
しかし、それ以上に私には重大な懸念があった。端的に言おう。ズバリ……この記事の行く末である。翌日、撮影した画像を見返した私は深く頭を抱え、そして震えた。
いつもなら画像を見ながら、それがどこで、どういうことがあって、何を考えたかを具体的に思い出しながら記事を書くのだが、今回に限っては……
多摩川のどこか(詳細不明)
多摩川のどこか(詳細不明)
多摩川のどこか(詳細不明)
多摩川のどこか(詳細不明)
多摩川のどこか(詳細不明)
──こんな記事掲載してええんか? 真っ暗すぎるスマホの画像フォルダを見ながら、私は自分自身の撮影意図を読み取れずにいた。ここはどこで、私はなぜこの画像を撮ったのか? 分からない……。
ただ一つ、ハッキリしているのはこのシーン。
前方から「ザッザ、ザッザ」という謎の音がしたので徐行していたら、闇の中からいきなり散歩中の老婆が現れて心臓が止まりかけた。バイオハザードかよ。これはその直後の画像だ。
さて、あまりの記事情報の無さに「お蔵入り」の可能性も視野に入れる必要が出てきたが、さらに追い打ちをかけるように、チャリの充電が切れかかっている。え、この真っ暗な中で!?
・ピンチに次ぐピンチ
今ライトが消えたら、たぶんチャリごと多摩川に突っ込むぞ。そこで私は、最寄りのステーションをアプリで検索。連載始まって以来のマシンチェンジをすることに。
主人公機の乗り換え……燃える展開だ。
RPGのようなマップ探索の末に……
新宿から乗ってきたチャリを返却。すぐさま新しい機体をレンタルした。
では気を取り直して、チャリで家帰る!
と思ったら……え?
いやちょっと待って……
低ッッ!!!
・いきなり珍スポット
ここは南武線が走る「多摩川橋梁(きょうりょう)」という鉄道橋だ。怖くて試してはいないが、おそらくピカチュウくらいじゃないと通れないだろう。凄まじい低さである。
ただ幸い、近くに下へ降りる道があったので……
なんとか無事に通り抜けられた。
……と、少しでも記事としての体裁を保てるような情報を連打しているが、府中四谷橋を渡り、多摩川の支流である浅川沿いを走り出して数分。
いよいよシャレにならないくらい真っ暗闇になってしまった。
当方、今年で40歳になる成人男性だが、何も見えないし普通に超怖ぇよ! こんなことなら大人しく満員電車に乗っておけばよかったよ!! 助けて文明の利器ィィィィィィイイイイ!
泣きそうになりながらペダルを漕ぎ……
ようやく目的地に到着したのだった。
・ミッション達成
新宿の編集部を出たのが15時30分。で、現在の時刻は……21時20分。つまり、新宿から八王子まで約6時間かかったことになる。大長編すぎるだろ! アニメ1クールより長いじゃねーか!!
こんなに時間がかかったというのに、私の手元に残ったのは、掲載していいのか迷うレベルの何が何だか分からない画像たち。くっ……! 失敗した……! もっと明るいうちに多摩川に辿り着いていれば……!!
今日一日を振り返った結果、私は今回のチャリ退勤における決定的な戦犯の存在に気づいた。そうだ、お前だけは……お前だけは絶対許せねェ!
焼肉きんぐ 狛江店……!!
・真の敵
多摩川の約800m手前に出店し、新宿からノコノコやってきた私を一本釣りするとは……これを悪魔の所業と呼ばずに何と呼ぶのか?
あいつさえいなければ、こんな事態には陥らなかっただろう。なるほど、確かに「きんぐ」だよお前は。今後は冥界の王とでも名乗るがいい。
なぜ人は満員電車に乗るのか? 理由は簡単だ。乗らなかったら数時間を無駄にするからである。それでもチャリで帰りたいというなら止めはしない。ただし、一つだけ忠告しておく。
「焼肉きんぐ」には気をつけろ……! 私からは以上だ。
参考リンク:HELLO CYCLING、焼肉きんぐ 執筆:レンタチャリ師・あひるねこ Photo:RocketNews24.
ScreenShot:HELLO CYCLING(iOS)
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チャリで多摩川に来たけど暗すぎて何が何だか分からねぇ…どこだここ。#続きは記事で pic.twitter.com/epYjvaQd22
— あひるねこ@ロケットニュース24 (@ahirunekoindie) May 20, 2025
会社を出たのが15時半。いま帰宅しました。 #続きは記事で pic.twitter.com/R3pJAsTN2F
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