ギザの大ピラミッド付近で秘密の地下部屋を発見
※本記事は、2024年6月10日に公開した記事の再掲です。
考古学者らがレーダーなどを使って地下構造物を発見。エジプト、ギザにあるピラミッドおよび墓地付近にて。
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西部墓地には、マスタバと呼ばれる長方形の墓石がギザの大ピラミッド(Great Pyramid)の麓に数多く並んでいる。これらのマスタバは、約4500年前の古代エジプトの支配者だったクフ王(Khufu)の親族や上流階級市民のものだ。
墓地にはたくさんの墓石が並んでいるが、それとは対照的に、何もない、砂だけの一角がある。その砂の下に別の物語があることを、考古学者らが発見した。
平らで、砂地のように見えるところに、数千年前に作られて長い間忘れられていた構造物が、隠されているかもしれない。地表からほんの数メートル下に、L字型の構造物のようなものがあり、さらに深いところには別の大きな構造物があり、2つはつながっているという。
L字型の構造物の角は自然にできたものにしては「尖り過ぎ」ている、と発見に携わった研究者の佐藤源之は、ライブ・サイエンス(Live Science)に語った。
どちらの特徴も、古墳の遺物である可能性があると研究者らは述べている。だがこの発見には解き明かされていない多くの疑問が残されている。
エジプト人および日本人研究者らによる、西部墓地の最初の調査が行われた大まかな位置。
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初期の考古学では、何年もかけて慎重に発掘して、構造物の形や大きさを明らかにしていた。今は新たな技術のおかげで、科学者らは土をひとかきもすることなく、未知の建物を図にすることができる。
そうして、東日本国際大学、東北大学、エジプト国立天文地球物理学研究所(National Research Institute of Astronomy and Geophysics)の研究者らは、この隠された歴史の最新の一片を発見した。
2021~2023年の間に、チームは2つのハイテク技術を使って、この場所を調査した。それが地中探知レーダー(GPR)と電気抵抗トモグラフィー(ERT)だ。GPRは、電磁波を使って浅い地中の様子を高解像度でマッピングする。より深層にある構造物には、ERTで壁、シャフトや同様の異物の位置を特定することができるが、詳細な情報は得られない。
GPRとERT、衛星データを組み合わせ、研究者らは地下1.6~6.5フィート(約0.3~1.8メートル)に埋もれた、約32×50フィート(約10×15メートル)のL字型の構造物を発見したのだ。また、それよりも深い地下11.5~33フィート(約3.5~10メートル)のところに、1000平方フィート(約93平方メートル)の構造物がある証拠も見付かった。