IAEA、イランから全査察官撤退 核施設のアクセス巡る対立続く

国際原子力機関(IAEA、写真)は4日、イラン核施設への査察官の復帰を巡る対立が深まる中、残っていた全ての査察官をイランから撤退させたと発表した。6月撮影(2025年 ロイター/Elisabeth Mandl)

[ウィーン 4日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は4日、イラン核施設への査察官の復帰を巡る対立が深まる中、残っていた全ての査察官をイランから撤退させたと発表した。

米国とイスラエルによるイラン核施設空爆は、IAEAにとって極めて困難な事態をもたらした。

IAEAのグロッシ事務局長は、査察が最優先事項だと述べているにもかかわらず、IAEAの査察官は空爆以来、イラン施設の査察を実施できていない。

イランは2日、核施設の安全が保証されるまでIAEAとの協力を停止する法律を施行した。IAEAはイラン側から正式な停止通告はまだ受けていないとしているが、査察官がいつ戻れるかは不明。

IAEAはXへの投稿で「テヘランに滞在していたIAEA査察官チームは本日、ウィーンのIAEA本部に戻った」と発表した。

外交官らによると、6月13日のイスラエルによるイラン核施設攻撃以降、イラン国内のIAEA査察官の数はわずか数人にまで減少していた。また、イラン当局やイランメディアによるIAEAへの激しい批判を受け、紛争が終結して以降も、査察官の安全を懸念する声が上がっていた。

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