台風「バービー」が台湾接近、中国も上陸に備え 24年以来最強か
Joe Cash Yimou Lee Mariko Katsumura [北京/蘇澳(台湾)/東京 9日 ロイター] - 大型で非常に強い台風9号(バービー)は9日、台湾南東の太平洋上を進んだ。最大風速は時速約200キロメートルに達した。ここ数年で最大級の被害をもたらす恐れがあり、中国と台湾は警戒を強めている。 台湾当局は、台北周辺の北部山岳地帯で最大1メートルの降雨を予想。台湾に上陸する台風としては3人の死者を出した2024年の「コンレイ」以来の強い台風となる可能性があり、国防部(国防省)は兵士約2万9000人を待機させている。 台湾中央気象署の予報官ジェイソン・チャン氏はロイターに対し、バービーは台湾に接近する台風としては1987年以降で最大級になる見込みだと述べ、このような規模の台風は「近年ではかなりまれだ」と語った。 中国国家気象センターによると、バービーは現在最も幅が広い部分で約1000キロと、ほぼフランスの国土の横幅に相当する大きさとなっている。台湾北部をかすめた後、11日夜に中国東部の福建省に上陸する見通し。中国は今週初め、南部が台風10号「メイサーク」による多大な被害が出て、被災地では今も捜索活動を行われている。 中国や日本、台湾では、破壊的な気象現象にさらされる頻度が高まっている。今年はエルニーニョ現象により、海水温が上昇してより頻繁で強力な台風の発生につながる可能性があるため、特に警戒が必要とされる。 民間気象予報サービス、アキュウェザーの気象予報士ジェイソン・ニコルズ氏は「風速は9日からやや弱まる見込みだが、バービーは10日後半から13日にかけて台湾と中国東部に影響を及ぼし、危険な嵐であり続けるだろう」との見方を示した。 日本の気象庁は沖縄県の住民に対し、10─11日に暴風、土砂災害、洪水、高潮への厳重な警戒を続けるよう呼びかけた。 台湾北東部の港町、蘇澳では、数百隻の漁船が迫り来る台風を避けて港に密集。住民は地元当局から土のうを受け取るために列を作り、農家は天候が崩れないうちに稲を収穫しようと急いでいる。 日本航空は10日に運航予定だった国内線48便と国際線2便の欠航を決め、7610人の乗客に影響が及ぶと発表した。 全日本空輸は沖縄県の石垣空港や宮古空港を発着する路線を中心に10日の34便を欠航し、約1800人に影響が出ると発表した。11日についても国内線33便の欠航を決定しており、さらに5900人に影響が及ぶ見通し。 英インペリアル・カレッジ・ロンドンの熱帯低気圧の専門家フォン・シャンボー氏は「バービーは太平洋の外洋上で長い時間をかけて勢力を拡大し、暖かい海からエネルギーを取り込み、大量の水分を蓄えてきた。十分に注意する必要がある」と述べた。 「上陸するか沿岸部に近づけば、壊滅的な被害をもたらす恐れがある。進路がわずかに変わるだけで大きな影響が出る可能性がある」と警告した。