わずかな高強度の運動で八つの慢性疾患リスクが低下 日常生活に採り入れるポイントは?

強度の高い活動を少し取り入れれば、八つの慢性疾患にかかるリスクの低減につながる可能性があることがわかった/Jordan Siemens/Stone RF/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) もっと体を動かして、座っている時間を減らすこと。健康増進を図りたい人々に、長年受け入れられてきたアドバイスだ。

さらに最近、ある種の運動はほかに比べて健康効果が高いといった研究結果が次々と報告され、アドバイスの精度は上がりつつある。

運動の強度によっても違いが出るかもしれない。欧州心臓病学会(ESC)の機関誌「EHJ」に発表された研究によると、強度の高い活動を少し取り入れれば、八つの慢性疾患にかかるリスクの低減につながる可能性がある。

この研究結果からは、強度がなぜ関係するのか、激しい運動を普段の生活にどう取り入れればいいかという疑問が生じる。研究の意味合いをより深く理解するため、CNNのウェルネス専門家リアナ・ウェン氏に話を聞いた。ウェン氏は米ジョージ・ワシントン大学の救急医で臨床准教授。メリーランド州ボルティモアの元衛生局長でもある。

(新しい運動プログラムを始める前には必ず担当医に相談し、苦痛を感じたらただちに停止してください)

CNN:この研究は運動や、それが慢性疾患とどう関係するかについて、何を調べたのでしょうか?

ウェン氏:身体活動の強度とさまざまな慢性疾患の間にどんな関係があるかという研究だ。研究チームは、英国で参加者数十万人の医療、ライフスタイル情報を追跡した長期的な健康調査「UKバイオバンク」を利用し、極めて大規模な2集団のデータを分析した。ひとつはリストバンド型センサーで客観的に運動量を測定した約9万6000人の集団、もうひとつは活動を自己申告した37万5000人あまりの集団だ。

チームは参加者らを平均9年間にわたって追跡し、8項目のリスクを調べた。

その結果、活動全体の中で激しい運動がどれだけの割合を占めるかによって、差が出ることが分かった。高強度に分類される活動の割合が約4%を超えていたグループは、強度の高い活動がまったくなかったグループに比べ、リスクが大幅に低かった。

認知症のリスクが63%低くなったのをはじめ、2型糖尿病は60%、脂肪肝は48%、慢性呼吸器疾患は44%、慢性腎疾患は41%、免疫関連炎症性疾患は39%、主要心血管イベントは31%、心房細動は29%のリスク低減がそれぞれみられ、全死因死亡率は46%低かった。

驚異的な結果だ。これらすべての病気のリスクを一気に下げる薬がもし開発されたら、大変な評判になることだろう。特に重要なのは、もともとよく運動していた人も、激しい身体活動に費やす時間の割合を増やせば効果があったという点だ。反対に比較的不活発だった人でも、高強度の運動をほんの少し日課に加えることで、やはりメリットがみられた。

CNN:どういう身体活動が「高強度」とみなされるのでしょうか?

ウェン氏:高強度の活動は一般に、心拍数と呼吸数を大きく上げる運動と定義される。簡単な判定法は「トークテスト」だ。運動をしながら文章を最後まで楽に言うことができれば、低から中強度の範囲に入る可能性が高い。息が切れて一度に2~3語しか話せなければ、それは高強度だ。

個人の基礎体力レベルにも左右される。大股で歩くだけで高強度になる人もいるが、それなりに体力のある人はもっと動く必要があるだろう。高強度の活動を計画的な運動メニューに組み込む必要はないというのも、重要なポイントだ。日常生活のなかでバスに飛び乗ろうと走ったり、重い食料品を上の階まで運んだりする瞬発的な動きで心拍数が上がり、息が切れたら、それも高強度に入る。

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