日本・中国は巨額投資、「韓国が最高」技術でも主導権喪失の危機…ペロブスカイト太陽電池、商用化へ壁(KOREA WAVE)

【06月13日 KOREA WAVE】「ペロブスカイト太陽電池の技術では、韓国が世界最先端に立っている。だが日本と中国がこの分野に莫大な投資を進めており、韓国は商用化の一歩手前で立ち止まっているのが現状だ」 こう語るのは、韓国化学研究院光エネルギー研究センター長のチョン・ナムジュン氏だ。 韓国はこの次世代太陽電池素材である「ペロブスカイト」の研究において、世界初の成果を生み出してきた。だが近年、日本や中国の国家主導による大型投資に比べ、商用化への道筋が見えづらくなっている。 ペロブスカイト太陽電池は、既存のシリコン素材と異なり、低照度でも高い変換効率を維持し、軽量かつ曲面設置が可能な点で注目されている。 同センターと共同で商用化研究を進める装置メーカー「コサンテック」のユ・ジョンスCTO(最高技術責任者)も「韓国は基礎技術で世界級の研究者を多数擁している」と述べる。 実際、韓国はペロブスカイト太陽電池の黎明期からリードしてきた。固体型ペロブスカイト太陽電池の世界初の開発者は、韓国・成均館大学のパク・ナムギュ教授だ。2023年にはチョン・ナムジュン研究チームが200cm²以上の大面積ペロブスカイトセルで18.24%の効率を達成し、世界記録を樹立。その後、一度は中国に抜かれたものの、20.6%という新記録で再び世界一に返り咲いた。 しかし、「K-ペロブスカイト」は今、大きな壁に直面している。試作段階を超え、実際に大型サイズのセルを安定して製造する商用化の段階で課題が山積しているのだ。現在、韓国内で試作できる最大サイズは第2世代ディスプレイ基板(370mm×470mm)程度にとどまっている。 ユ・ジョンス氏は「商用化に向けては、大面積のセルを複数製造しながら、問題点を洗い出す必要がある。だが大型化には装置費・材料費が莫大にかかり、研究室レベルのR&D予算では到底対応できない」と嘆く。 米国ではエネルギー省が年3億ドルを投じ、日本は国家プロジェクトとして積水化学工業などが巨額の投資を決定している。政府もマッチング形式で同等の支援をする。中国政府も第14次5カ年計画に基づき、太陽光分野への支援を強化している。 チョン・ナムジュン氏は「韓国は効率的な研究開発と、迅速な商用化で勝負すべきだ」とし、今年からは量産技術の確立に注力している。そのカギとなるのが「インクジェットプリンティング技術」だ。 ユ・ジョンス氏は「太陽電池の生産では、ナノレベルの薄膜をどれだけ均一に印刷できるかがカギとなる。インクジェット方式は既にディスプレイ製造で活用されており、技術的信頼性がある。関連産業基盤も整っており、大量生産に最適」と説明した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

KOREA WAVE

KOREA WAVE
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: