NZ、クック諸島への資金援助停止 中国と関係強化を懸念

[ウェリントン 19日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)政府は19日、自治領であるクック諸島への資金援助を停止したと発表した。クック諸島は中国との関係を深めており、NZとの関係が悪化している。

NZのピータース外相の報道官によると、政府は2025/26年度の基幹部門への支援資金1820万NZドル(1100万ドル)の拠出停止を今月初旬に決定した。

報道官は「クック諸島政府が関係修復と信頼回復に向けた具体的な措置を講じるまで、大規模な新たな資金拠出も検討しない」とし「NZは支援をできる限り早期に再開できるよう、懸念に対処する措置が速やかに講じられることを期待する」と述べた。

クック諸島政府は、NZとの強力な信頼関係を回復する意向であり、NZから受けた資金援助に感謝していると述べた。

NZのラクソン首相は現在、中国を訪問中。20日には習近平国家主席、李強首相と会談する予定で、クック諸島と中国との関係強化について議論し、太平洋地域での中国の行動に懸念を示す見通しだ。

クック諸島は自治国だが、NZと自由連合関係にあり、国家元首と市民権を共有している。独立した外交政策を認められているものの、安全保障・防衛・外交問題については両国の協議が義務づけられている。

クック諸島のブラウン首相は2月に訪中し、教育・経済・インフラ・漁業・災害管理・海底採掘など、安全保障分野を除く多岐にわたる戦略的パートナーシップ協定に署名。NZはクック諸島が事前の協議なしに中国と協定を結んだことを問題視している。 もっと見る

NZのマッセイ大学のアンナ・パウレス准教授は、資金援助の停止は「懲罰的で近視眼的」だと指摘。クック諸島が中国にさらに接近する可能性があるとの見方を示した。

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