ニデック、今期営業益は過去最高更新へ 設備投資・研究開発も増加
岸田社長によると、米関税の影響は最大300億円で「その削減を図ってきている」という。
IBESがまとめたアナリスト17人のコンセンサス予想の平均値は2654億円で会社予想はほぼ同水準だった。
想定為替レートは1ドル=140円(前期は152.58円)、1ユーロ=155円(同163.75円)。
設備投資は1400億円で前期の1207億円から増加、研究開発費も1000億円で同814億円から増加させる方針。
また、中期計画として、27年3月期の営業利益は3000億円、28年3月期は3500億円を打ち出した。不採算・ノンコア事業の見直しや技術力による材料費の削減、拠点統廃合、人員削減、高収益構造への転換などを進める。事業は、データセンターやインフラ・エネルギーなど5つの柱に注力するほか、グローバル体制に向け、グローバル本社機能も確立させる。
岸田社長は「真のグローバルカンパニーになる。これまでやってこなかったことを中心に着手、正面から取り組んでいく」とし、「事業の撤退、再編を視野に入れてやっていく」と述べた。一方、戦略投資として売上高の1%を目途に投じていく。
配当と自社株買いを合わせた総還元性向は50%を目指す。
2011年3月期以降にグループ入りした会社の連結売上高に占める貢献度は25年3月期で55%超になったことを明らかにし、岸田社長は「これからももっと大胆な成長や高収益を目指してM&Aに取り組んでいく」と述べた。中期計画の数字は自立成長で、M&Aは含んでいない。
25年3月期の連結営業利益は同48.4%増の2402億円で、会社計画の2400億円と同水準となった。水冷モジュールの売り上げ拡大やエネルギー分野の需要拡大に加え、前期に計上したEVトラクションモータ関連事業の構造改革費用598億円がなくなったことが増益に貢献した。構造改革費用は90億円計上した。
1―3月期の連結営業利益は前四半期比20.6%増の654億円となった。
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