「ジャメくんがあんなに…」広島勢の活躍に刺激受けたGK大迫敬介、3度目のE-1選手権「一日も無駄にしたくない」
GK大迫敬介(広島)
EAFF E-1選手権の初戦で香港を6-1で破り、白星発進を果たした日本代表。なかでもFWジャーメイン良が前半だけで4ゴール、ルーキーのFW中村草太もダメ押しゴールを記録するなどサンフレッチェ広島勢の活躍が目立ったが、ベンチで戦況を見守っていたGK大迫敬介も大きな刺激を受けていたようだ。
この日はフィールドプレーヤーと香港戦出場のGKピサノアレックス幸冬堀尾(名古屋)がリカバリー調整。大迫はGK早川友基(鹿島)との2人で練習場に姿を見せ、GKトレーニングに取り組んだ。前田遼一、長谷部誠両コーチの激しいシュートを受けるなど、炎天下でみっちりと身体を動かした後、報道陣の取材に応じ、今季の広島で通算4点だったジャーメインの活躍を冗談まじりに振り返った。
「ジャメくんが1試合であんなに点を取るのは広島では見たことがなかったので(笑)。ベンチで草太と近くに座っていたけど、(広島では)『周りが悪かったんだね』という話をしながら。でもこれをきっかけに爆発してくれたら嬉しいですね」(大迫) また中村についても「彼はゴールへの嗅覚を持っているし、周りに活かされつつ、自分で持っていく力もあるのでそれを最後の最後に証明してくれたのはチームメートとして嬉しかった」と大迫。ACL2、J1リーグ、そしてA代表でもデビュー戦ゴールを決めた22歳の活躍に「勝負強いなと。昨日は最後の1点だったけど、チームでは大事な逆転ゴールとか先制点も決めてくれる。デビュー戦とは思えないゴールだった」と目を細めていた。 さらに大迫は香港戦でゴールを守ったピサノからも刺激をもらっていた。ピサノは19歳179日で国際Aマッチ出場を果たし、GK史上最年少記録を樹立。これまでの記録を持っていたのが19年のコパ・アメリカ初戦のチリ戦で19歳325日にしてデビューを果たした大迫だった。 「僕もピサと大体同じくらいの歳にデビューして、昨日ピサが更新したというので、自分もデビューして年月が経ったんだなと思いながら見ていた。ピサも堂々とプレーしていたし、僕自身もまだまだ成長しないといけないなと思った」。チームメートや若き後進の飛躍を力に変え、自身のパフォーマンス向上につなげていく構えだ。 W杯予選メンバーのGKから唯一、E-1選手権の日本代表にも食い込んだ立場。これまで以上にチームを引っ張る役目も期待されている。 「常に呼んでいただいている身として、今回は初招集の選手が多い中、どうやってチームを短い期間でまとめていけるかが自分の役割だと思っている。ピッチ上でももちろんそうだし、ホテルでもいろんな選手とコミュニケーションを取ることを意識しているので、短い期間でも自分の役割を全うしていきたい」 ただ何より、まずはピッチ上のパフォーマンスで価値を示していきたいところだ。「W杯まであと1年しかないということで、こういう活動も自分にとってはアピールのチャンス。一日も無駄にしたくない気持ちが強いので、一日一日のトレーニングもそうだし、チャンスが来た時にはしっかり自分のプレーをして証明したい」。2019年、22年に続いて3度目のE-1選手権。年々安定感を増し続ける守護神は静かに出番を見据えている。 (取材・文 竹内達也)●E-1選手権2025特集▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中