トランプ大統領、パナマ運河とスエズ運河での米国船の無料通航求める
Maria Paula Mijares Torres
- 重要な商用・軍用水路に対する米国の影響力拡大に焦点
- 米国の造船業復活目指す、ルビオ国務長官に迅速な対処を指示
トランプ米大統領はパナマ運河とスエズ運河での米国船舶の「無料」通航を求め、重要な商用・軍用水路に対する米国の影響力拡大に改めて焦点を当てた。
トランプ氏は1月のホワイトハウス復帰直後からパナマ運河周辺の中国系港湾運営会社の撤退を求めてきたが、26日のトゥルース・ソーシャルへの投稿では、エジプトを横断し地中海と紅海を結ぶスエズ運河にも関心を向けた。
「これらの運河は米国なしでは存在しなかった」とトランプ氏は述べ、ルビオ国務長官に「直ちにこの問題に対処するよう」指示したと付け加えた。
トランプ氏は米造船業の復活を目指し、関税のほか、計画中の米国への入港料賦課などの措置を通じて中国の商業輸送と造船業に焦点を当ててきた。中国の造船業における優位性は不公正に達成されたものであり、米国の利益に害を及ぼしていると主張している。
かつて世界トップだった米国の商業造船は1980年代以降、補助金削減や海外との競争激化により縮小している。
トランプ氏がパナマ運河での中国の影響力を批判し、米国が「取り戻す」べきだと発言したことを受け、パナマは2月、米軍艦の同運河での自由通航を確約した。香港の長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)はパナマ運河の港湾資産を米ブラックロック率いるコンソーシアムに売却する計画だが、中国政府の反対とパナマ政府との金融紛争に直面している。
原題:Trump Says US Ships Need Free Travel Through Panama, Suez Canals(抜粋)
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