【漫画】「認知症」だけど元気ハツラツ! 祖母の愉快な日常に「前向きになれた」
認知症になった作者の祖母。何でもすぐ忘れてしまうけど、元気なばーばと過ごす日々は、明るく面白いエピソードがたくさんあって…。認知症の祖母を温かな目線で描き、Xで公開された漫画が「前向きな気持ちになれる」と話題です。作者のともろうさんにお話を聞きました。
認知症になった祖母との日常を描いた漫画「認知症vsばーばの日々」が、Xで話題となっています。作者には認知症になった祖母がいます。認知症と聞くとネガティブな印象がありますが、そこには元気な祖母らしい、明るく面白い日常が…。読者からは「この漫画を読んで前向きになれた」などの声が上がっています。
この漫画を描いたのは、イラストレーター・漫画家のともろうさんです。XやInstagram、noteなどで漫画を発表しています。ともろうさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
ともろうさん「2024年5月ごろからです。ばーばが通うデイサービスなども決まって、介護生活が少し落ち着いた頃でした」
Q.今回の漫画「認知症vsばーばの日々」を描いたきっかけを教えてください。
ともろうさん「ばーばが出来事を忘れてしまうため、記録したいと思ったのがきっかけです。認知症はネガティブなイメージが多いので、『のん気で愉快な一面もあるよ』ということを伝えたくて投稿を始めました。実際、ばーばの明るい性格のおかげで、想像していたよりもしんどいものではありませんでした」
Q.おばあさまは、ご自身が漫画に描かれていることをご存じなのでしょうか。
ともろうさん「ばーばにも伝えました。たぶんもう忘れていますが…。漫画を読んだときには、ばーばも『面白いから家族に見せなよ』と喜んでくれました。ネットに弱いばーばなので、SNSに載せていることは伝えていませんが、漫画は気に入ってくれているので、良しとしています」
Q.おばあさまが認知症になってから、接し方に変化はありますか。
ともろうさん「日々刺激を与えるようになりました。元々インドア派のばーばなので、一緒に出かけたり、新しい体験をさせたり、刺激のある生活を意識するようになりました。ばーばも前向きで、何をやっても楽しそうなのは意外な発見でした」
Q.漫画に描くことで、ともろうさんご自身の認知症に対する考え方は変わりましたか。
ともろうさん「ばーばが認知症になったことで、イメージは大きく変わりました。コミュニケーションも難しくなると思っていましたが、楽しく過ごせている姿に驚いています。また悲しいこともすぐ忘れるため、身内の不幸の際にも、明るく過ごすばーばに救われたこともありました。今の時間を大切にしていきたいです」
Q.特に印象に残っているおばあさまとのエピソードはありますか。
ともろうさん「ばーばが自分で塗ったことを忘れ、自分のぬり絵を褒めていたのは印象的でした。『自画自賛』そのもので、ばーばらしいと思いました。他には、認知能力のテストで、計算問題だけはスラスラ解けたことも印象に残っています。経理の仕事をしていたので、その能力は衰えないんだなと驚きました」
Q.漫画「認知症vsばーばの日々」について、どのような意見が寄せられていますか。
ともろうさん「一番うれしかったのは、友人が『おばあちゃんが認知症になったけど、ともろうの漫画のおかげで前向きになれた』と言ってくれたことでした。それだけで本当に描いていて良かったです」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
ともろうさん「ばーばと過ごせる限りずっと描き続けて、いつかは1冊の本にしたいと思っています。そのために漫画だけでなく文章などの表現も試していきたいです。他にも、得意なゆるい絵柄でいろいろなお仕事をしたいので、イラストなどのお仕事も募集中です!」
(オトナンサー編集部)