マイク・タイソン復帰戦、ネットフリックスにピーク視聴者6500万人

スポーツのライブストリーミングに進出したネットフリックスは、元ボクシング世界ヘビー級王者マイク・タイソンとユーチューバーからボクサーに転身したジェーク・ポールの試合を生配信した。ピーク時には世界で6500万人もの視聴者を集めたが、接続の問題や画面のフリーズを巡って何千件もの苦情が寄せられた。

  タイソン(58)に勝利したポール(27)は「サイトをクラッシュさせた」と述べ、「これは最大のイベントだ」と主張した。

  ブルームバーグ・ニュースが確認した社内メモで、エリザベス・ストーン最高技術責任者(CTO)は、この試合は一度に最大6500万人の視聴者を集め、最も視聴されたスポーツイベントの一部に匹敵すると記した。

  待望の対戦を配信する際には不具合も発生し、視聴者の中にはソーシャルメディアで不満を漏らす人もいた。ライブストリーミング中に、10万人を超えるユーザーがダウンディテクターのウェブサイトにネットワークの問題を報告し、バッファリングの遅さなどに関してコメント。ボクサーのイベンダー・ホリフィールドでさえ、タイソンとのかつての対戦について質問されたとき、番組の司会者の声を聞き取るのに苦労していた。

  ネットフリックスは今回のイベントの全般的な結果についてコメントを控えた。

  ネットフリックスにとって最大のライブストリーミングイベントは、同社の広告ビジネスを強化する野心の一環だ。「ラブ・イズ・ブラインド」の再会エピソードの配信不具合などでつまずきを経験したネットフリックスは、今回のボクシングマッチのようなライブイベント機能に投資してきた。同プラットフォームは15日の試合中に、クリスマスに開催される米プロフットボールNFLの試合に関する予告を流した。

  テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで行われたタイソンとポールの試合は事前の宣伝通りとはいかず、評論家から精彩を欠いた試合だったと評された。ノックアウトがなく第8ラウンドまで続き、ジャッジは全員一致でポールの勝利とした。

  タイソンが復帰し、ポールと対戦した15日の試合はネットフリックスの契約数を増やす重要な原動力になると見込まれている。

  ユーザーらは試合前、イベントをストリーミングできないとX(旧ツイッター)で不満を漏らし、ある視聴者は「ダイヤルアップインターネットの栄光の時代に戻してくれた」と、ネットフリックスに皮肉を込めて感謝。「サーバーに問題がないことを確認しなかったのか?」と、「TheYounger」という名のユーザーはネットフリックスによる今回の対戦の宣伝投稿に反応していた。

原題:Netflix’s Tyson-Paul Boxing Bout Gets 65 Million Viewers at Peak(抜粋)

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