英財政赤字、予想上回る増加-債務費用増大で
Andrew Atkinson、Tom Rees
昨年12月の英政府の財政赤字は予想以上に増加し、リーブス財務相が直面する財政難が浮き彫りになった。
政府統計局(ONS)が22日発表した昨年12月の財政赤字は178億ポンド(約3兆4000億円)に達し、前年同月の77億ポンドの2倍以上となった。
今年度(2024年4月-25年3月)の最初の9カ月間の累計赤字額は1299億ポンドとなり、昨年10月30日の予算発表時に予算責任局(OBR)が予測した額を40億ポンド上回った。
12月の赤字拡大は、政府債務総額の約4分の1を占めるインフレ連動債の金利支払いが原因。債務コスト全体は83億ポンドで、前年より38億ポンド増加した。生活保護費や公務員給与も増加した。
根強いインフレ、予算発表後の国債利回りの急上昇、成長見通しの悪化により、リーブス氏は自身に課した財政ルールを破る危険にさらされている。このルールは29-30年度(29年4月-30年3月)までに日々の支出を税収で賄うことを定めている。
予算発表時、ルールを守れなくなるまでには99億ポンドの余裕があると見られていたが、今月初めの政府借り入れコスト上昇により、その余裕はほぼ消滅したとみられる。
リーブス氏は昨年10月に400億ポンドの増税を行った後、二度と増税をしないと公約している。代わりに歳出削減を優先しようとしているが、労働党政権が緊縮財政に回帰しているとの批判にさらされている。
原題:UK Budget Deficit Soars More Than Forecast on Debt Costs(抜粋)
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