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パレスチナ自治区ガザ地区との境界フェンス近くで戦車を運転するイスラエル兵(2025年8月19日撮影、資料写真)。(c)Jack GUEZ/AFP

【8月21日 AFP】イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザ地区の駐屯地に対するイスラム組織ハマスの攻撃を撃退し、戦闘員10人を殺害したと発表した。ハマス側は、イスラエル兵数人を殺害したと発表している。

イスラエルメディアは、2023年10月にハマスによる攻撃をきっかけとする紛争が始まって以来、ガザでイスラエル軍がこうした攻撃を受けるのは極めて異例だと報じている。

イスラエル軍は声明で、「本日午前9時(日本時間同日午後3時)ごろ、南部ハンユニスにある第90大隊駐屯地付近の複数のトンネル坑道からテロリスト15人以上が姿を現した」と述べた。

「テロリストは駐屯地に向けて銃と対戦車ミサイルによる複合攻撃を仕掛けた。数人が駐屯地に侵入したが、近接戦闘と航空支援攻撃によって排除された」と付け加えた。

イスラエル軍は、この襲撃で兵士1人が重傷、2人が軽傷を負ったと述べた。

「駐屯地部隊は(イスラエル空軍と連携し)近接戦闘と空爆によりテロリスト10人を排除した」とし、さらに戦闘員8人がトンネルに逃げ込んだと付け加えた。

イスラエル軍ラジオのドロン・カドシュ記者は、ハンユニスでの駐屯地襲撃は紛争開始以来「異例」だと述べ、イスラエルのニュースサイト「タイムズ・オブ・イスラエル」も「異例の事件」と報じた。

イスラエルの民放チャンネル12は、襲撃は兵士の拉致を目的としたものだったと報じた。

ハマスの軍事部門イザディン・アルカッサム(カッサム旅団)は声明で、同旅団の戦闘員が「ハンユニスの南東に新たに設置された敵駐屯地を襲撃した」と述べた。

「複数の装甲警備車を標的とした。また、(イスラエル)兵士が防御工事を施していた複数の建物も標的とした」「戦闘員数人が建物を襲撃し、至近距離から軽火器と手りゅう弾で複数のイスラエル兵を殺害した」として、さらに戦車長1人を殺害したと主張した。

カッサム旅団は、「イスラエル側の援軍が到着した直後、戦闘員の1人が自爆し、イスラエル兵を死傷させた」と述べた。

カッサム旅団は、自軍戦闘員の死傷者には言及しなかった。

イスラエル軍はAFPに対し、ハマス戦闘員は自爆しておらず、ハマスがイスラエル兵の拉致を試みたこともないと述べた。

ハマスは2000年代初頭の第2次インティファーダで自爆攻撃を多用していたが、現在進行中の紛争で、ガザでイスラエル軍に自爆攻撃を実施した例は報告されていない。(c)AFP

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