トランプ氏、自分のスパ施設からエプスティーン元被告が若い女性を「盗んだ」と発言

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画像説明, トランプ米大統領(右)とエプスティーン元被告(1997年)

アメリカのドナルド・トランプ大統領は29日、フロリダ州の私邸兼リゾート施設マール・ア・ラーゴのビーチクラブのスパで働いていた若い女性を、性犯罪者のジェフリー・エプスティーン元被告(故人)が「盗んだ」ことから、元被告と不仲になったと話した。

トランプ氏は、訪れていた英スコットランドからの帰路、大統領専用機の中で記者団の取材に応じた。

それらの従業員は若い女性だったかと記者から問われると、トランプ氏は、「答えはイエスだ」と言った。そして、自分が経営していた「スパから」引き抜かれて雇われたと説明した。

そのうちの1人はヴァージニア・ジュフリー氏(故人)だと、トランプ氏は述べた。ジュフリー氏は以前、16歳だった2000年夏にマール・ア・ラーゴで働き始めたと語っていた。

トランプ氏はまた、「彼(エプスティーン元被告)は人々を連れ去った。私は『もうやめろ』、彼女たちは私のために働いているんだと言った。(中略)それ以外にも、彼は他に何人かを連れ去った」と発言。「それをやった時点で、彼は終わりだった」と述べた。

トランプ氏のこの日の記者団に対する発言は、エプスティーン元被告との関係がどのように終わったかに関する新たな説明にもなった。

ホワイトハウスは先週、トランプ氏がエプスティーン元被告を「気味が悪い」という理由で、マール・ア・ラーゴのクラブから追い出したとしていた。

それとこの日の説明に食い違いがあるのではないかと問われると、トランプ氏は、「いやいや、同じようなことだ」と答えた。

トランプ氏とエプスティーン元被告は、10年以上の交友期間を経て、2000年代初頭に仲たがいした。

元被告をめぐっては、「顧客リスト」の存在を信じる人などから、関連ファイルを公表するよう、トランプ氏側への圧力が高まっている。

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画像説明, マックスウェル受刑者(2013年)

トランプ氏とエプスティーン元被告は、交友のあった期間、パーティーで一緒にいるところをたびたび見られていた。そうしたパーティーに出席していた少なくとも2人の女性が、のちにトランプ氏に性的暴行を受けたと訴え出た。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、1人はジル・ハース氏で、1997年の訴訟では、エプスティーン元被告も出席していた若い女性向けのマール・ア・ラーゴでのイベントで、トランプ氏に無理やりキスされ、体をなでられたと主張した。トランプ氏はこれを否定し、訴えは取り下げられた。

もう1人はモデルのステイシー・ウィリアムズ氏で、エプスティーン元被告に連れられてニューヨーク・マンハッタンのトランプ・タワーにトランプ氏を表敬した際、同氏に体を触られたと訴えた。これについても、トランプ氏は否定している。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは先週、トランプ氏が2003年のエプスティーン元被告の誕生日に「下品な」手紙を送ったと報じた。

そこには、「謎は年を取らない」、「友人とは素晴らしいものだ。誕生日おめでとう——毎日が新たな素晴らしい秘密でありますように」などと書かれていたとされる。

トランプ氏はこの記事を「フェイク」と断じ、名誉毀損で同紙の親会社などを訴えた。

トランプ氏とエプスティーン元被告は2004年、差し押さえになっていたフロリダ州パームビーチの海沿いの人気物件をめぐり対立したと報じられている。トランプ氏が最終的に競り勝ち、この物件を手に入れた。

一方、マックスウェル受刑者に対しては、連邦議会下院の監視委員会が先週、8月11日に委員会で証言するよう召喚状を送った。

彼女の弁護団は、トランプ大統領に恩赦を求め、もし「恩赦を受けられるのであれば、彼女はオープンに正直に証言することを望むだろう」とした。

同委員会のジェイムズ・コマー委員長の広報担当は29日、「彼女の証言に対して議会免責特権を与えることは検討しない」とした。

コマー氏は先週、米CNNで、「子どもたちを性的に売買していた可能性のある人物に免責特権を与えたいと考える共和党議員は多くない」と話していた。

トランプ氏は先週、マックスウェル受刑者に恩赦を与えることについて聞かれると、自分の権限としてできるが、「考えていない」と記者団に語った。

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