世界初のナトリウムイオン搭載モバイルバッテリー。冷凍庫で凍らせてみました

Photo: SUMA-KIYO

過酷な環境下で行うアクティビティにおいても、モバイルバッテリーは欠かせない存在。

しかし従来のモデルでは、発火のリスクや低温によるバッテリー容量の低下など、安全性と信頼性の両面で不安が残っていました。

極寒環境でもへっちゃら

Photo: SUMA-KIYO9000mAh(最大45W出力)

そんな課題を解決すべく登場したのが、エレコムの「DE-C55L-9000シリーズ」。世界で初めてナトリウムイオン電池を採用したモバイルバッテリーです。

仕組みについては本題から逸れるためここでは割愛しますが、「ナトリウム」ということは、ざっくり言えば「塩」を主要素材としており、従来のモバイルバッテリーで使われてきたリチウムイオン電池に比べて、安全性・耐寒性・長寿命といった面で優れています。

Photo: SUMA-KIYO

なかでも、ぼくが最も注目したのは「耐寒性」です。

ぼくは一年を通して登山やキャンプなどのアウトドアを楽しんでいるのですが、従来のモバイルバッテリーは使用可能温度が「0℃〜35℃」のものがほとんどで、寒い環境では、充電容量の低下や電圧の不安定化などの問題がありました。

ところがこの「DE-C55L-9000シリーズ」は、なんと「−35℃〜50℃」という、驚くほど広い環境温度に対応しているんです。

Photo: SUMA-KIYO

ぼくは実際に確かめてみないと納得できない性格なので、自宅の冷凍庫に「DE-C55L-9000シリーズ」を入れ、本当にスペックどおりなのかを実験してみます。

およそ−18℃の庫内で約1時間冷やしたあと、モバイルバッテリーをそのまま冷凍庫の中に置き、USBケーブルを扉の隙間から外に出して、バッテリー残量が20%のiPhone 17 Proを接続しました。結果は、30分で77%、60分で95%まで回復。充電スピードも消費量も、室温25℃の環境で充電した場合とほぼ同じでした。

冬のアクティビティにおいて、万が一のときにスマホが使えるかどうかは、命に関わる問題なので、この結果は大きな安心材料になりそうです。

※防水・防塵仕様ではありません。

圧倒的なロングライフ

Photo: SUMA-KIYO

従来品とは比べ物にならないほど長寿命なのも、「DE-C55L-9000シリーズ」の大きな特徴。約5000回も繰り返し使うことができるそうで、仮に毎日使った場合でも、なんと13年も使えるほどです。

さらに、発火のリスクも非常に少ないそうで、メーカーの公式サイトに掲載されている実験動画によると、釘を刺しても発火しないほどの安全性が備わっていました。

サイズ以上の価値がある

Photo: SUMA-KIYO

基本的なスペックは、下記の通りです。

・バッテリー容量:約9000mAh

・入出力ポート:USB Type-C ×1(入出力)、USB-A ×1(出力)

・最大出力:USB Type-C 最大45W、USB-A 最大18W(合計出力約20W)

・外形寸法:約幅87mm×奥行31mm×高さ106mm

・重量:約350g

ほぼ空の状態のiPhone 17 Proを約1.3回満充電することができ、USB-Cポートを使えば、MacBook Airの充電も問題なく行えました。

Photo: SUMA-KIYO他社の10000mAh(30W出力)のモバイルバッテリーと比較

全体的に満足度は高いものの、ひとつだけ残念だったのはサイズです。

ある程度大きいことは覚悟していたのですが、実際に手に取ってみると、サイズ・重量ともにかなり存在感がありました。これまで愛用していた10000mAh(30W出力)のモバイルバッテリーと比較すると、体積で約2倍、重量は約1.6倍の差があります。

Photo: SUMA-KIYO

とはいえ、極寒の環境下でも安定して使えること、安全性の高さ、そして毎日使っても13年間使えるという点を考えれば、サイズの面で多少妥協してでも、これを選ぶ価値は十分にあると思います。

さまざまなアクティビティの相棒として、長い付き合いになりそうです。

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