トランプの特使と3時間会談→戦争はやめない…プーチンが側近に漏らした「私は絞首刑にされるだろう」の真意(プレジデントオンライン)
ロシアのプーチン大統領は、なぜウクライナ侵攻をやめないのか。拓殖大学客員教授の名越健郎さんは「トランプ米大統領の特使らがモスクワを訪れ、プーチン氏と3時間を超えて会談したが、停戦に向けた具体的な進展はなかった。プーチン氏が譲歩できない背景を読み解く鍵は、側近に漏らしたと報じられた言葉にある」という――。 【写真をみる】側近に本音を漏らしたプーチン ■プーチンが出した“前線で停戦用意”の逆提案 米国のウィトコフ和平交渉担当特使とトランプ大統領の娘婿、クシュナー氏が9月5、6の両日、モスクワとキーウを訪れてシャトル外交を展開した。プーチン大統領との会談は3時間を超えた。ウクライナ戦争の停戦で進展はなかったが、米側は「平和に向けた新しいアイデア」(トランプ大統領)を提示したとしており、同案をベースに米国仲介の三者交渉が再開される見通しとなった。プーチン大統領は逆提案をしたとされるが、交渉の難航は必至だ。 (参考:BBC「米特使、モスクワとキーウを連日訪問 戦争は冬になっても続くとゼレンスキー氏」) ロシアのSNS、テレグラムで発信する情報チャンネル「インサイダーT」がクレムリンの情報筋の話として報じたところでは、米側は5日のプーチン大統領との会談で、「戦争が終結すれば、米国は経済分野でロシアに大規模な投資を行う用意がある」とし、ベーリング海峡横断トンネルの建設など総額2兆ドル(注:日本円で約300兆円)規模の経済協力プロジェクト案を提示したという。 特使らは、「戦争を止め、経済協力へ移行することがロシアにとってはるかに有利だ」と説得した。 プーチン大統領は米側の論理に基本的に同意し、「現在の前線で停戦する用意がある」としながら、ドンバス地方は最終的にロシアの管轄下に置かれ、「ウクライナは失われた領土への主権を永久に放棄し、軍事的・政治的手段によっても返還を要求しないことを法的に認めねばならない」と述べたという。 ■「緩衝地帯」という名の“領土の確定” プーチン氏は、ドンバス地方に緩衝地帯を設置してウクライナ軍は撤退し、ロシアもそこに進入しないと表明。合意は国連の関与の下で、国際法上確固たるものにすべきだと語った。 プーチン氏はさらに、同様の枠組みをジャボリージャ、ヘルソン、ハリコフ各州の特定の地域にも適用するよう主張し、「合意内容の法的確定と国際的な批准が不可欠」と重ねて強調したという。 この情報が事実なら、ロシアは「前線での戦闘凍結」を標ぼうしながら、「緩衝地帯」「国連管理」という名目でウクライナ軍を撤退させ、ドンバス地域全体をロシアが支配する目論見とみられ、ウクライナは到底受け入れられない。 ゼレンスキー政権は「前線での停戦」を支持しながら、停戦後に外交交渉を通じた失地回復を目指している。プーチン提案は、ウクライナが憲法を改正し、占領地を永久に放棄するよう要求するもので、プーチン後の時代も国境を画定させることを狙っている。 ロシアのウシャコフ大統領補佐官は記者団に、「会談は有益だった」「紛争のあらゆる根本問題の解決が必要」と表明。ロシア軍は特別軍事作戦の目標を必ず達成すると米側に伝えたと述べ、戦闘継続を強調していた。 同補佐官によれば、ウィトコフ特使らは「プーチン氏の見解をウクライナ側に伝える」と約束した。