玄海原発「3つの光」解明を UAP議連・浜田靖一会長「検証尽くす」九電は動画提供拒否

安全保障から考える未確認異常現象解明議員連盟の浜田靖一会長=16日午前、国会内(奥原慎平撮影)

未確認空中現象(UAP)に関する超党派「安全保障から考える未確認異常現象解明議員連盟」は16日、国会内で総会を開き、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)上空で7月に目撃された「3つの光」を解明する必要性を再確認した。他国が発射したドローンの可能性も排除できず、原発敷地内侵入は安全保障上、看過できない事態となるためだ。議連は九電側に動画のデータ開示などを求めていく。内閣官房にUAPの調査・分析に当たる専門部署の設置を政府に求める方針も決めた。

情報は錯綜

事案は7月26日夜に発生。議連側の説明では警備員4人が「3つの光」を確認し、監視カメラ1台が光をとらえた動画を警察に提供した。警備員はスマートフォンなどの所持が禁じられている。警察官も同日午後8時36分~10時50分まで断続的に「光」を目撃している。

九州電力玄海原発

事案の発表を巡っては情報が錯綜した。原子力規制委員会は当初「ドローン3機が飛行」と発表し、後に「3つの光」と訂正。佐賀県警は9月の県議会で「航空機の光をドローンと勘違い」と説明した。

ドローンであれば、上空からのテロ行為や破壊工作、軍事攻撃への防備の手薄さが露呈した形となる。事態を重く見た議連は8月、九電や原子力規制庁、防衛省の幹部らを招き、ヒアリングを実施。10月には有志で現地視察を行い、危機管理上の対応状況を確認した。

「外部へ提供しない」

県警は有志に対し「航空機の見間違いの可能性が高い」と説明した一方、そう判断した根拠については捜査中を理由に回答を控えたという。

議連は11月に危機管理政策の検討のため、防犯カメラの動画データ提供を求めたが、九電は「捜査に影響を及ぼさないよう、一貫して外部への提供は行っていない」と拒否したという。

国民民主党の山田吉彦参院議員=16日午前、国会内

この日の総会では、「中国の艦船から放たれた軍事用途の可能性は否定できない」(日本維新の会の松沢成文参院議員)と情報収集を求める声や、「今のドローンは広い範囲で十分に飛ばせる。映像を確認することが不可欠だ」(国民民主党の山田吉彦参院議員)と九電側に再考を促す声が出た。

「気球に聞いて」

正体不明の飛行物体を巡っては、令和元年11月に鹿児島県薩摩川内市、2年6月に仙台市、3年9月に青森県八戸市上空で確認された。仙台市で確認された際、当時の河野太郎防衛相は「安全保障に影響はない」と断言し、再飛来の可能性について「気球に聞いてください」と語っていた。

防衛省は5年2月に、飛行物体は中国の無人偵察用気球と強く推定されると発表。当時の浜田靖一防衛相は「必要な措置として武器を使用できるというのが政府の考えだ」として「気球」の撃墜の可能性にも言及した。

「事実関係積み重ねる」

浜田氏は議連会長を務めており、総会で「UAPの問題は正体が未確認であるため、説明が後回しにされがち。事実関係を丁寧に積み重ね、検証を尽くすことが国民の不安を抑えることにつながる」と指摘した。

安全保障から考える未確認異常現象解明議員連盟の総会=16日午前、国会内(奥原慎平撮影)

その上で、防犯カメラの動画を国会議員が確認する必要性に重ねて言及。「(県警の捜査に)一定の配慮が必要と理解しつつも、国会での検証の観点から、理解し得る説明とはいいがたい」と九電側の説明を疑問視した。

議連は昨年6月に設立され、今回が3回目の総会。最高顧問を自民の石破茂前首相、顧問を中谷元前防衛相や日本維新の会の馬場伸幸元代表、幹事長を自民の小泉進次郎防衛相が務める。(奥原慎平)

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