距離に関係ない!一等星の真の明るさランキングTOP4(宇宙ヤバイchキャベチ)
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。今回は「真に明るい一等星TOP4」というテーマで解説していきます。
見かけの明るさは距離に左右されるため、私たちが空を見上げたときに明るく見える星が、必ずしも本来のエネルギーが強いとは限りません。
そこで今回は距離の影響を取り除いた「光度(恒星が全波長で放つ総エネルギー)」を指標に、一等星の中で本当に明るい恒星をランキング形式で紹介します。
なお光度は質量が大きい恒星ほど、さらに寿命末期に膨張している恒星ほど大きくなる傾向があります。
4位:アンタレス(さそり座α星)
Credit:ESO/M. Kornmesser- 視等級:およそ0.6〜1.6の範囲で変光
- 距離:約550光年
- 光度:太陽の約7.6万〜10万倍(代表値10万倍)
赤色超巨星で、半径は太陽の約600〜800倍に達します。表面温度は約3500Kと低めですが、巨大さゆえに総エネルギーは非常に大きくなります。
3位:ベテルギウス(オリオン座α星)
Credit:ESO/L. Calçada- 視等級:平均で約0.5前後(変光)
- 距離:約548光年
- 光度:太陽の約9万〜15万倍
オリオン座の赤色超巨星で、半径は太陽の約700倍です。
太陽系の中心に置くと火星軌道をはるかに超え、木星軌道に迫る大きさになります。
2019〜2020年の異常減光は表面で発生した塵によるものと考えられ、超新星爆発が直ちに近いという結論には至っていません。
2位:リゲル(オリオン座β星)
Credit:Chris Laurel / Celestia- 視等級:0.12
- 距離:約850光年
- 光度:太陽の約12万倍(推定は6.1万〜36万倍の幅)
青色超巨星で、質量は太陽の18〜24倍、半径は70〜80倍、温度は約1.21万Kです。
連星系ですが、可視光の明るさは主星Aが圧倒的です。
1位:デネブ(はくちょう座α星)
Credit:Pablo Carlos Budassi, Deneb.png- 視等級:1.25(微変光)
- 距離:約1410〜2620光年(推定に大きな幅)
- 光度:太陽の約5.5万〜20万倍(遠距離側の推定で約20万倍)
A2 Ia の青白い超巨星で、夏の大三角の一角です。
距離推定に不確かさが残るため光度の幅も大きいものの、一等星の中では最も遠いのに、一等星として非常に明るく見えるほど強いエネルギーを放っています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Antares
https://en.wikipedia.org/wiki/Betelgeuse
YouTubeで登録者数29万人「宇宙ヤバイch」で最新ニュースなどを解説しています。/23歳で北海道大学経済学部に入学→29歳で卒業/書籍「宇宙ヤバイ スケール桁違いの天文学」好評発売中/北海道札幌市でキャベチによる生解説が聞けるバー「宇宙ヤbar」営業中/好きな天体は海王星とブラックホール!