金利調整をゆっくり慎重に進める余裕ある=米SF連銀総裁

米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は8日、経済と労働市場が堅調を保つ一方、トランプ大統領が表明した関税の規模や範囲に多くの不確実性があることから、利下げを急ぐ必要はないと述べた。2018年7月撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)

[8日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は8日、経済と労働市場が堅調を保つ一方、トランプ大統領が表明した関税の規模や範囲に多くの不確実性があることから、利下げを急ぐ必要はないと述べた。ユタ州のブリガム・ヤング大学で講演した。

関税が少なくとも一時的にインフレを押し上げる可能性を「少し懸念している」ものの、「成長は良好で政策も順調であるため、ゆっくりと慎重に行動する時間と能力は確保されている」とした。

トランプ大統領が大規模な関税導入を発表したことから、金融市場では米連邦準備理事会(FRB)が景気減速の可能性に迅速に対応するとの見方を強めている。フェデラルファンド(FF)金利先物市場では来月から利下げが始まり、年末までに少なくとも1%ポイントの政策金利引き下げが行われる可能性を織り込んでいる。

デイリー総裁は自身が望む金利の方向性を具体的には示さなかったが、少なくとも現時点ではそのような積極的な行動が正当化されるとは考えていないようだ。「本当に重要なのは政権が実施したいと考えている一連の改革の総合的な影響について考えながら、船の中でしっかり立っていることだ」と語った。

企業は依然として楽観的であり、現在直面しているような不確実性を乗り越える経験を豊富に積んでいるとも述べた。

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