道長も見た月に潜む「地球との"ただならぬ関係"」
地球と月は「ただならぬ関係」にある?(写真:Ako/PIXTA)
「小惑星探査」や「火星移住」などのニュースから、UFO、宇宙人の話題まで、私たちの好奇心を刺激する「宇宙」。だが、興味はあるものの「学ぶハードルが高い」と思う人も少なくない。
知らなくても困らない知識ではあるが、「ブラックホールの正体は何なのか」「宇宙人は存在するのか」など、現代科学でも未解決の「不思議」や「謎」は多く、知れば知るほど知的好奇心が膨らむ世界でもある。また、知見を得ることで視野が広がり、ものの見方が大きく変わることも大きな魅力だろう。
その井筒氏が、「月の誕生にまつわる3つの説」について解説する。
私たちの身近な天体である月。
「中秋の名月」今年は“土星”も見える!?鑑賞のコツでは、古くからの月の鑑賞法などについて解説しました。
とくにこの週末は月が話題になっていて、平塚市博物館によると、11月16日は藤原道長の有名な歌「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」と同じ月を、1000年の時を超えて眺められるとのことです。
11月17日放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』第44話は「望月の夜」。
道長が月を観て、この歌を詠むシーンが期待できそうです。この週末は、いつも以上に、多くの人が月を見上げることになるかもしれませんね。
月をじっくり見ていると気になるのが、「そもそも月はどうやって生まれたのか?」ということ。
月は地球から38万キロメートルと遠く離れた場所にありますが、じつは、地球と月は「ただならぬ関係」にあるのです。
地球と月の関係として、「双子説」「夫婦説」「親子説」という3つの説が長年議論されてきました。
現在、そのうちの1つの説が有力視されています。
3つの説はどういったものなのか。そのうち、2つの説はなぜ却下されたのか。じつは、有力視されている説にも、まだ解決すべき問題が残っています。
今回は、月の誕生について、わかりやすく解説していきます。