「理不尽だ」立民・野田氏、厳冬の衆院選を批判 選挙運動難しく投票率や受験生への懸念も

豪雪のなかでは厳しい選挙戦が予想される=2012年12月、京都府内

高市早苗首相(自民党総裁)が23日召集の通常国会冒頭での衆院解散を決断し、衆院選は1990年以来36年ぶりの2月投開票となる。北日本を中心に厳しい寒さの中での選挙戦が予想され、有権者や候補者だけでなく選挙の事務担当者にも負担となる。受験シーズンと重なることへの懸念の声も聞こえてくる。

首相の最大の敵は冬将軍?

 「大雪が降っているときに、受験生が受験しなければいけないときに、こんなときに春を待たずに、なんでやるのか。理不尽だと思わないか」

立憲民主党の野田佳彦代表は15日の党会合で、こう批判した。小沢一郎衆院議員は11日、X(旧ツイッター)に「最終的に北日本では高市総理の最大の敵は『冬将軍』になるかもしれない」と投稿した。2年前の能登半島地震で被害を受けた地域選出の議員からも恨み節が聞かれた。

現行憲法下で2月の衆院選は、海部俊樹首相による「消費税解散」を受けた1990年2月18日と、鳩山一郎首相による「天の声解散」を受けた55年2月27日の2例のみで、事務を担う地方自治体の選挙管理委員会のノウハウも失われつつある。

厳冬期の選挙戦は、地域によって差が出かねない。演説会に人が集まりにくくなる可能性もある。

日本一広い北海道12区

総面積が1万5千平方キロメートルを超える北海道12区の自民党の武部新衆院議員は産経新聞の取材に「2月はオホーツク海に流氷が彼岸し、マイナス20 度となる。選挙カーは窓を開けて走るので、体感温度はそれ以上の寒さだ」と語った。

道路状況は厳しい。武部氏は「冬道は凍ってツルツルで危険、吹雪で道路が閉鎖されることもあり、日本一広い選挙区を予定通り遊説することはさらに困難になる。雪のため道路は狭くなり、住宅街などでは車が交差するのも難しいので、ルートを選ぶのも制限される」と説明。「有権者も極寒の中で候補者の話を聞くことも厳しいため直接政策を聞く機会にも影響が出るし、運動員の活動を縮小せざるをえない」と語った。

雪を集める場所に掲示板

選挙事務にも困難が伴いそうだ。

雪の多い地域ではポスター掲示に頭を悩ませている。

青森県では昨年衆院選ではポスター掲示板を6300カ所以上設置した。県選管の関係者によると、雪が高く積もって掲示板が隠れてしまうところや、冷えた土が固くなり杭打ちに苦労する場所があるという。除雪した雪を集める場所となっているところもあり、設置する場所や数について検討している。

担当者は「冬に青森県全域での選挙となるのは2003年の県知事選以来、約20年ぶりだ。天候が悪いと投票の足が遠のくのではないか、投票用紙の運搬に支障が出るのではないか、とさまざまなことを想定し準備をしようと考えている。雪があまり降らないといいな、と思っている」と話した。

「冬に青森県全域での選挙となるのは」でお願いします

大学受験日程と重なる

また、事実上の選挙戦の期間は、大学受験日程などと重なる。投開票日に想定される2月8日にも、全国各地で私立大学の入試が行われる。演説の声が、リスニング試験の音声を妨げたり、受験生の勉強の集中力をそいだりする可能性がささやかれている。

2026年度の大学入学共通テスト(共通テスト)は、本試験が今月17、18日、追試験は24、25日に実施予定だ。

立民の泉健太前代表は13日、Xで「それぞれでほかの個別の大学の入試日程も調べ、せめてその日は、周辺での街宣をしないようにしよう!これは本当に大事」と呼びかけた。(沢田大典)

豪雪地帯の真冬の選挙、投票率低下の懸念も

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