「米とイラン、優先すべきは100対0で米国」鈴木宗男が語る“高市外交”のあり方…トランプ会談のはしゃぎっぷりは「批判する人は政治や外交を知らない」と物申す(集英社オンライン)
――高市首相は2月の総選挙で自民党を歴史的な大勝に導き、依然として高い支持率を維持していますが、現況をどう見ていますか。 鈴木宗男(以下、同) 日本初の女性宰相として、受けるプレッシャーも強いと思うが、今年に入って衆議院を電撃的に解散し、自民党を大勝に導きました。SNSなども駆使して何を成し遂げたいのか、わかりやすいメッセージを率先して発信するスタイルは、自民党の若手議員にも非常に好評です。 米国のトランプ大統領と同じで、高市さんもSNSで国民に直接メッセージを届けるスタイル。自民党も幹事長記者会見の全内容を即時、公式サイトに掲載するようになりました。 新聞やテレビよりも、スマホで情報を得る人が多い今の時代に、高市さんの積極的な発信がうまくいっているのだと思う。 ――ただ、高市首相は2026年度予算の国会審議に出席した時間が短く、前年度の石破茂前首相のおよそ6割にとどまりました。記者会見やぶら下がりなどに応じて、記者の質問に直接答える機会も歴代首相より減っています。 好む、好まないではなく、スピーディーな対応が求められる時代の要請です。イラン情勢に伴う原油価格の高騰、ナフサ供給への不安などに対し、高市さんはXを使って素早く、情報をストレートに国民に向けて説明しています。 番記者がぶら下がり対応を求めるのは、自分の使命を果たさなければならないと考えるでしょうから、理解はできます。 ただ、記者からの質問を避けているわけではありません。それはうがった見方です。Xでスピーディーに発信したほうが、国民への説明責任を果たせるということだと思います。 ――高市さんは首相としてのふるまいも話題になります。3月の日米首脳会談でも、出迎えたトランプ大統領が握手しようと右手を差し出したところ、いきなりハグした行動に賛否両論が巻き起こりました。 抱きつき作戦は大成功だったと思いますよ。機先を制して相手の懐に飛び込む、相撲で言えばもろ差しです。これでトランプさんの心をぐっとつかんだ。高市さんは瞬時の独特の感性による勝負勘が功を奏したと言えます。 はしゃいでいるなんて批判する人は政治や外交の何たるかを知らない。高市さんの台湾有事をめぐる発言があった後の昨年11月に、中国・北京で日中の外務省局長協議がありました。ポケットに手を入れたまま話す中国外務省の劉勁松アジア局長に対し、金井正彰アジア大洋州局長は頭を下げるようなしぐさをした。 あれは、金井さんが中国の国営中央テレビが撮影していることを把握したうえで、わざとそういうしぐさをしたのだと思います。腹のなかで葛藤はあったでしょうが、日中関係は大事と考えていることを中国の国民に理解してもらうためだったと思います。この男はたいしたものだなあと思いました。 高市さんも同じで、外交の何たるかをよく分かっている。トランプさんはハグを最大限の敬意と受け止めました。 昨年2月にホワイトハウスを訪れたウクライナのゼレンスキー大統領は、カメラの前でトランプ大統領と口論になったでしょ。まったくお粗末な態度でした。世界一の大国のリーダーを相手に、しかも協力を求めるために来たのに、喧嘩してはなにも始まりません。 懐に飛び込む、これが大事ということです。現に日米首脳会談後、ホルムズ海峡の安全確保に向けて、北大西洋条約機構(NATO)加盟国には「非常に期待外れ」などの批判を繰り返し脱退までちらつかせていますが、日本に対して不満を公言したのは「助けてくれなかった」の1回だけです。