「ほぼ決まったようなもの」 20歳アントネッリを追い込んだ声、史上最年少F1王座を目前に“二重の試練”
「普段より少し緊張していた」――初のタイトル獲得を目前に控えるアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が、予選で本来の走りを発揮できなかった事情を明かした。周囲から繰り返し向けられる王座への期待に加え、病み上がりの疲労も残り、自信とエネルギーを欠いたままアタックに臨んでいたという。
現地時間11月1日(日)に行われる2026年F1第19戦メキシコGPで9位以上に入れば、20歳のイタリア人ドライバーはセバスチャン・ベッテルの記録を塗り替え、史上最年少F1ワールドチャンピオンとなる。
10月31日(土)の予選は5番手に終わったが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が1グリッド降格処分を受けるため、アントネッリは決勝を4番グリッドからスタートする。
チームメイトのジョージ・ラッセルが、ポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(フェラーリ)に0.009秒差と迫った一方、アントネッリは低グリップのコンディションに苦戦。「僕自身が十分に良い仕事をできなかったと感じてるし、自信を持って走ることもできなかった」と振り返った。
「間違いなく、今週末は普段より少し緊張してる」
さらに、米国のモータースポーツ専門メディア『RACER』によると、「どこへ行っても、同じことを繰り返し聞かされるんだ。もうタイトルは決まったようなものだ、って言われ続ける。自分がどういう性格か分かっているから、そういう雑音をできる限り遮断しようとしてきたけど、簡単じゃなかった」と明かした。
「ただ、Q2ではまずまずの感触があった。特に中古タイヤでは良かったんだ。でも、Q3で新品タイヤに履き替えると、グリップを見つけるのに苦労して、うまく1周をまとめられなかった」
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
公式予選後のパルクフェルメで握手を交わすポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(フェラーリ)と2番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)、2026年10月31日(土) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
アントネッリはウイルスを原因とする高熱と胃腸の不調に見舞われ、木曜日のメディア対応を欠席した。週末を通じて回復に向かっているものの、予選を終えても体力は戻り切らず、疲労感があり、睡眠も不足しているという。
「かなりひどかったんだ」とアントネッリは説明する。
「だから楽じゃなかったけど、今は体調自体は大丈夫。ただ、エネルギーが足りなくて、かなり疲れている感じがする」
「だから、しっかり睡眠を取らなきゃって思ってる。ここ数日はよく眠れていなかったからね。明日はもう少しエネルギーが戻っているといいね」
決勝に向けては休養を優先する考えだ。「メラトニンをたっぷり摂って、できれば10時間はぐっすり眠りたいね」と語った。メラトニンは睡眠と覚醒のリズムを調整するホルモンで、海外では睡眠をサポートするサプリメントなどにも使用されている。
「とにかく、できる限りリラックスするつもりだ。ちょうど家族が到着したところだから、そばにいてくれるのはありがたい。できるだけいろいろなことから頭を切り離して、しっかり眠って、明日に備えたい」
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
キックボードに乗ってパドックを移動するアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、2026年10月30日(金) F1メキシコGPフリー走行(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
決勝については、タイヤを温存したことを前向きな材料に挙げた。一方、懸念材料として、レースペースでフェラーリに及ばない可能性を指摘した。
「チャンスはあると思う。4番グリッドだし、新品タイヤを1セット残してある。それを生かして順位を上げていければと思ってる」とアントネッリは語った。
「ここはターン1までの距離がかなり長いから、スタートをうまく決めることが重要だ。できれば二つほど順位を上げたいね。もちろん、ターン1ではトラブルを避けることも大切だ。レースペースはまだフェラーリほど良くはないと思うけど、それでも良いレースはできると思う」
2026年F1メキシコGP予選では、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が3年ぶりとなるポールポジションを獲得。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間11月1日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。