トランプ氏、中東問題顧問に次女の義父 駐仏大使に続く親族起用
[ワシントン/ベイルート 1日 ロイター] - トランプ次期米大統領は1日、中東問題担当の大統領上級顧問に、次女ティファニー氏の義父に当たるレバノン系米国人実業家マサド・ブーロス氏を指名すると発表した。
トランプ氏は11月30日、第1次政権で大統領上級顧問だった娘婿ジャレッド・クシュナー氏の父、チャールズ・クシュナー氏を駐フランス大使に指名すると表明しており、これで2人の子どもの義父を要職に起用することになる。
米国はレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラに対して軍事攻撃したイスラエルを支持しているが、トランプ氏の選挙戦でブーロス氏は米国のレバノン系やアラブ系の有権者を取り込む上で重要な役割を果たした。
ブーロス氏の父と祖父はレバノン政界の有力者で、義理の父は同国でヒズボラと同盟関係にある自由愛国運動(FPM)への重要な資金提供者。こうした背景を持つブーロス氏は、レバノン国内で何十年も深刻な対立を続ける各政治勢力のいずれともパイプを持つ貴重な人物だ。
特にレバノン議会で多数の議席を持ち、政府に閣僚を送り込んでいるヒズボラとの関係を維持している点が注目されている。
センチュリー・ファウンデーションのアロン・ランド研究員は、選挙中にアラブ系やイスラム教徒の間にトランプ氏支持を広げることに貢献したブーロス氏は、トランプ氏の中東政策に影響力を与えられる十分な立場にあるとの見方を示した。
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