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 発信地:ラゴス/ナイジェリア [ ナイジェリア アフリカ ]

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【10月29日 AFP】1986年にノーベル文学賞を受賞したナイジェリア人作家ウォレ・ショインカ氏(91)は28日、ナイジェリアの最大都市ラゴスにある米国領事館にビザ(査証)を取り消されたと明らかにした。

ショインカ氏は記者会見で、「米国領事館は安心してほしい。私はビザ取り消しに非常に満足している」と述べた。

ショインカ氏は以前、米国永住権(グリーンカード)を保持していたが、2016年のドナルド・トランプ大統領の初当選を受けて放棄した。

ショインカ氏は現在2期目を務めるトランプ氏を批判し続けており、ウガンダの独裁者イディ・アミン元大統領になぞらえた最近の発言に、トランプ氏が気分を害したのではないかと推測している。

ショインカ氏は今年、米国領事館からビザの再審査の面接に呼び出されたが、出頭しない意向を示していた。

AFPが確認した米国領事館がショインカ氏に宛てた書簡によると、当局は米国務省の規則に基づいてビザを取り消したという。この規則では、「領事館職員、国務長官、もしくは国務長官から権限を委任された国務省職員は、いつでも自らの裁量で非移民ビザを取り消すことができる」とされている。

ショインカ氏はラゴスでの記者会見でこの書簡を読み上げ、冗談めかして「領事館からの世にも奇妙なラブレター」と呼び、自身を米国に招待しようとしている組織に対し「時間を無駄にしないでほしい」「ビザがない。入国禁止だ」と呼び掛けた。

■「まるで独裁者」

首都アブジャの米国大使館は、守秘義務を理由に個別の事案についてはコメントできないと述べた。

トランプ政権は、ビザの取り消しを広範な移民取り締まりの目玉としており、特にパレスチナ人の権利を声高に訴えた大学生を標的にしている。

ショインカ氏は最近、トランプ氏をウガンダの独裁者アミン氏になぞらえたことを明かし、トランプ氏は「誇りに思うべきだ」と述べた。

「イディ・アミン氏は世界的名声を持つ立派な政治家だった。だから、ドナルド・トランプ氏をイディ・アミン氏になぞらえた時、私は褒めているつもりだった」「彼はまるで独裁者のように振る舞っている」と続けた。

「死と王の先導者」を手掛けたショインカ氏は、ハーバード大学やコーネル大学など、米国の一流大学で教鞭(きょうべん)をとり、栄誉を授与されている。

最新作「Chronicles from the Land of the Happiest People on Earth(地球上で最も幸福な人々の国の年代記)」は、ナイジェリアの汚職を風刺した作品で、2021年に出版された。

ショインカ氏は、状況が変われば米国への招待を受け入れる可能性を残しつつ、「私が自ら行動を起こすことはないだろう。なぜなら、米国には私が求めているものが何もないからだ。一切ない。」と付け加えた。(c)AFP

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