木星のオーロラに現れるガリレオ衛星の“足跡” NASA探査機ジュノーがすべて同時に観測

そこで、IRAP=天体物理学・惑星学研究所(フランス)のJonas Rabiaさんをはじめとする研究チームは、2019年9月に実施されたJunoによる22回目の木星フライバイ「PJ22」の時に取得されたデータを分析しました。 その結果、研究チームは微かながらも明確に現れたCallistoのフットプリントを発見。4つのガリレオ衛星すべてがフットプリントを作り出していること、CallistoのフットプリントもIo、Europa、Ganymedeのものと同様に持続していることが確認されました。 こちらがJunoのUVSで観測された木星のオーロラです(色は擬似的に着色)。左端で目立つIoのフットプリントの他にも、Europa(Eur)、Ganymede(Gan)、そしてCallisto(Cal)のフットプリントがすべて同時に捉えられています。 NASAによると、PJ22は巨大で高密度な太陽風が木星の磁気圏に到達したタイミングで実施されたため、オーロラオーバルがより低緯度の方向へ移動しており、Callistoのフットプリントが捉えやすかったとみられています。 研究チームは、2031年7月の到着が予定されているESA=ヨーロッパ宇宙機関の木星系探査ミッション「Juice」の探査機による観測データもあわせてフットプリントの全体像が完成することで、木星の磁気圏とCallistoの相互作用が他のガリレオ衛星と根本的に異なるのかどうかという長年の疑問が解明されることに期待を寄せています。 参考文献・出典 NASA - Juno Detected the Final Missing Auroral Signature from Jupiter’s Four Largest Moons Rabia et al. - In situ and remote observations of the ultraviolet footprint of the moon Callisto by the Juno spacecraft (Nature Communications)

sorae編集部

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