「これで喜んでいるようでは…」佐々木旭が口にした危機感。川崎フロンターレが向き合うべき課題とは「緩さや甘さはまだまだある」【コラム】
川崎フロンターレの佐々木旭【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグEAST第4節が1日に行われ、川崎フロンターレはホームで水戸ホーリーホックをPK戦の末に下し、勝ち点2を獲得した。ケガから復帰した佐々木旭が、苦境に立つ川崎の最終ラインに戻ってきた。守備の課題と向き合いながら、勇気を持ってボールを前へ運ぶ。その一歩が、再び川崎らしさを取り戻すきっかけになろうとしている。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
——————————「改めて幸せなことだと…」
川崎フロンターレの佐々木旭【写真:Getty Images】
前節の多摩川クラシコに敗戦し、開幕戦以来の勝ち点3を目指す川崎フロンターレはFC東京戦から先発メンバー6名を入れ替えて、この一戦に臨んだ。
そのなかで、ケガの影響で戦線を離脱し別メニュー調整が続いていたDF佐々木旭が開幕から4試合目にしてピッチに帰ってきた。
「楽しいですね。スタジアムで試合をすることは改めて幸せなことだと感じました」
試合前にはサポーターがチャントで背中を押す。「鳥肌が立ちました」と幸福感と責任感を背負いピッチに立った。
立ち上がりから試合を優勢に進める川崎は8分にビッグチャンスを作る。リスタートから右サイドを使ってビルドアップをするとMF紺野和也がシュートを放ち、相手ディフェンダーに当たったこぼれ球をMF脇坂泰斗が右足でフィニッシュするも僅かに逸れていく。
さらに16分、佐々木からのロングフィードを紺野が左足のアウトサイドで受けるとファーストタッチで相手を交わし、左足を振っていくが惜しくも枠を捉えきれない。
佐々木はこの場面について「相手のサイドバックが自分がキックモーションに入った時に外になびいて和也くんも良いタイミングで走ってくれていたのが見えた」と振り返り、最終ラインからの質の高い配球がチャンスにつながったことを明かした。
DF谷口栄斗とセンターバック(CB)コンビを組んだ佐々木は、試合を通して息の合った連係を披露。チャレンジ&カバーを徹底しながら縦パスを差し込み、チームを前進させる。
一方で、相手攻撃陣にボールが入れば素早く寄せて自由を与えず、守備面でも存在感を発揮していた。
「緩さや甘さは、まだまだある」
川崎フロンターレの佐々木旭【写真:Getty Images】
「キャンプでは栄斗とコンビを組んでいました。今週から左右を入れ替わってプレーしましたが、多分栄斗もどちらもできる選手だと思いますし、ビルドアップの特長を持っている2人なので、持ち出しと配球のところを意識しました」
しかし水戸ホーリーホックが川崎の攻撃にアジャストすると前半終了間際に、2点のリードを奪われる。45分には左右に揺さぶられゴール前のこぼれ球をFW加藤千尋に押し込まれ、45分+4分にもスローインを起点にシュートへのこぼれ球を、再び加藤に打ち込まれた。
「試合は90分を通してなので、前半の最後の10分間は、みんなの足が止まっていましたし、ボールに寄せることができない時間帯でした。そこで簡単に2失点をしてしまったら勝てる試合も勝てないと思うので、そこの緩さや甘さは、まだまだあると思います」と振り返った。
さらに、「ボールホルダーへの寄せができていなかった。そこは自分たちがFWとボランチを押し出してあげなければいけない。あれだけ押し込まれて自由に蹴らせてしまったら、ペナルティーエリアの中では足も出せないので、もっと前で防げるようにしないと。そこを含めての緩さが出てしまったと思います」と反省点を挙げた。
戻らなければいけないところで戻れない、寄せなければいけないところで寄せ切れないなど守備の緩さで後手を踏んだ。
ただ意識の部分で変えられる部分であることは間違いないが、チームは開幕3試合で1試合平均被シュート数がリーグワーストの数字を記録。雨あられのようにシュートを浴びまくり、頭を悩ませる要因にもなっている。
これまでの試合をスタンドから見て感じたものを、佐々木は次のように語る。
「もっと勇気をもってやらないと…」
川崎フロンターレの佐々木旭【写真:Getty Images】
「(開幕3試合は)自分がピッチに立っていないので何とも言えないですし、中に立っている人しか分からないこともたくさんあると思います」と前置きした上で「見ている人が負けたにしても『戦っていた』、『走っていた』と言ってもらえるゲームかと言えば、そうではない。
相手の方が戦い、走っていましたし、そこは自分が入って球際ひとつをとってもチームの士気を上げられるようなプレーをしようと心掛けました」
2点のビハインドを追いかける川崎は後半もボールを保持。佐々木は攻略へのイメージを膨らませながら最終ラインからビルドアップをする。
プレスに来る選手を剥がし展開すると、66分にはインターセプトからボールを運び、一旦味方に預けてペナルティーエリア深くまで侵入しクロスを送った。
大事な局面で臆さずにプレーすること。読みと技術もあるが最後に必要なのは勇気だ。
「もっと勇気をもってやらないと川崎らしさというか、どうしても長いボールばかりになってしまうと思いました。それこそ自分がCBにいる意味だと思ったので、怖がらずに1枚剥がして、次の選手に余裕をもたせることは意識しました」と真骨頂を示した。
試合は終盤を迎え、84分には相手のハンドで得たPKをFWエリソンが落ち着いて沈めると、90+3分にDF三浦颯太のアーリクロスを脇坂が冷静に流し込み同点とする。
その後は規定によりPK戦が行われ、4番手まで成功した川崎に対し、水戸は2番手と4番手が失敗。ホームチームが勝ち点2を積み上げた。
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