エジプトの戦闘機需要を巡る戦い、ラファール追加購入の動き

エジプト空軍のF-16やミラージュ2000は更新時期を迎え、インドはテジャスMK.1Aの現地生産を提案し、中国もJ-10CEを売り込んでいると噂されているが、フランスのLa Tribuneは1日「エジプトがラファール追加購入に関する提案依頼書を送付してきた」と報じ、エジプトは24機の追加購入を検討しているらしい。

、参考:Et si l’Égypte commandait 24 Rafale supplémentaires ?

エジプトはナセル政権時代まで親ソ路線を掲げていたため軍の装備はソ連製で占められていたが、サダト政権になると親米路線に転換したものの過激派に対する軍事作戦を実施したことでオバマ政権がF-16やAH-64Dといった装備品の引き渡しを拒否、これが契機となってエジプトの装備調達は1ヶ国依存から複数の国に分散化され、エジプト空軍の戦闘機戦力はF-16A/B/C/D×218機、ミラージュ5 SDE/E2/SDR/SDD×82機、ミラージュ2000 BM/EM×18機、ラファール F3/F3R×54機、MiG-29M/M2×46機となり、この辺りから複雑な政治的力学に翻弄されていく。

出典:Ростеха

トランプ政権はロシア製のSu-35を購入する国(エジプト、インドネシア、アルジェリアなど)に敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)の発動対象になると警告、バイデン政権も同様の方針を維持したためエジプトは納入直前になってSu-35取得を放棄し、その対価としてF-15Eの派生型=Advanced Eagleを最大46機売却する計画を進めているが、2026年になっても輸出協議のステータスは継続中のままで輸出が具体化する様子はない。

イタリア主導で進められてきたタイフーン輸出も「まもなく両国は正式契約を締結する」と2022年6月に報じられたものの実現しておらず、F-16やミラージュ2000の更新時期(ほぼ運用されていないミラージュ5を更新するのかどうかは不明)も迫っているため、インドのヒンドスタン航空機がテジャスMK.1Aの現地生産を提案し、中国もJ-10CEを売り込んでいると噂されているが、フランスのLa Tribuneは1日「エジプトがラファール追加購入に関する提案依頼書を送付してきた」「これは中国製戦闘機はラファールより優れているという情報戦にエジプト当局が影響を受けていないことを示している」と報じた。

出典:China Military Bugle

エジプトのラファール追加購入はまだ検討段階で何も確定していないが、テジャスMK.1AやJ-10CEと異なるのは「2回発注に分けて計50機以上を導入している」という点で、ミラージュ5やミラージュ2000から続くフランス製戦闘機への信頼と運用実績まで加味すると実現の可能性は高いように見える。

逆に一番可能性が低いのは米国製戦闘機の導入で、未だにエジプト空軍のF-16にはAIM-120統合が承認されておらず、ロッキード・マーティンもF-16やミラージュ2000の更新需要にF-16C/D Block70/72(マーケティング上の名称はF-16V)を売り込んでいないため、米国が対エジプト政策を大きく変更でもしない限りF-15やF-16の輸出は望めないだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Armée de l’Air et de l’Espace

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