ウェッブ宇宙望遠鏡が127光年先の巨大惑星を観測 見つかった二酸化炭素が示す意味とは

こちらは「ペガスス座」の方向約130光年先の恒星「HR 8799」を公転する4つの太陽系外惑星です。太陽系外惑星というと主星の明るさや色の周期的な変化をもとに間接的に観測されることが多いのですが、ここに示された4つの惑星「HR 8799 b」「HR 8799 c」「HR 8799 d」「HR 8799 e」は、どれも赤外線の波長で直接的に観測されたものとなります。 こんなにも面白い!!太陽系外惑星の世界 この画像は「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」の「近赤外線カメラ(NIRCam)」で取得したデータを使って作成されました。 ウェッブ宇宙望遠鏡は主に赤外線の波長で観測を行うため、公開されている画像の色は取得時に使用された3つのフィルターに応じて着色されています。惑星の色の違いは温度と組成の違いを示しています。また、HR 8799からの赤外線はコロナグラフ(明るい天体の光をさえぎってその周辺を観測しやすくするための装置)を使ってさえぎられており、星の位置は★印で示されています。

HR 8799は直径が太陽の約1.5倍・質量が太陽の約1.6倍の恒星で、その周囲ではこれまでにbからeまで合計4つの太陽系外惑星が見つかっています。4つの惑星は直径がいずれも木星の約1.2倍・質量は木星の7~10倍と推定されています。 形成されてから3000万年ほどと(宇宙のスケールとしては)若く、温度がまだ高い惑星から放射された赤外線は惑星の形成に関する貴重なデータをもたらすことから、HR 8799は2008年から10年以上にわたって地上や宇宙の望遠鏡を使って直接観測されてきました。 今回、ジョンズ・ホプキンス大学のWilliam Balmerさんを筆頭とする研究チームは、HR 8799および地球から約97光年先の恒星「51 Eridani(エリダヌス座51番星)」の惑星系をウェッブ宇宙望遠鏡で観測。検出された近赤外線のスペクトル(電磁波の波長ごとの強さの分布)を分析した結果、研究チームはHR 8799と51 Eridaniの惑星に二酸化炭素が多く含まれていることを発見しました。この結果はこれらの惑星に比較的重い元素が含まれていることを示すものであり、その量は従来の予想よりも多いといいます。

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