フライドポテトにカレー、英国式「中華料理」に米国人から異論 SNSをにぎわす論争に

「セサミ・プローン・トースト」や「パンケーキ付きクリスピーダック」といった英国で人気の中華料理テークアウトセットは、多くの米国人にはなじみがない/Louise Hagger for CNN

(CNN) SNSで英国人が紹介したテイクアウトの中華料理に対して、米国人が自分たちの慣れ親しんだ中華料理とは違うと声を上げ、米英間の熱い論争に発展している。

米国内の中華テイクアウトでは、鳥肉を揚げて甘辛いたれを絡めた「ゼネラル・ツォズ・チキン」や、五目焼きそばの「チャウメン」、春巻に似た「エッグロール」などが定番メニューだ。

英国でも中華のテイクアウトは人気だが、その内容はあまり外に知られていない。米国式と大きく異なるため、SNS上では驚きの声だけでなく、「ぞっとする」と拒否反応を示すコメントまで飛び出した。

米国人のTikTok(ティックトック)クリエイターが、初めて英国式中華を味見する動画も投稿されている。

今ではTikTokで「英国式中華料理」と検索すれば、英国人がテイクアウトの料理を盛り付けたり、外国人旅行者が味わってみたりする動画が何千件も出てくる。

関心が高まるきっかけとなったのは、2023年に英国のTikTokクリエイターが、いつも通り注文した中華料理を紹介した動画だ。その再生回数は1000万を超え、1万5000件のコメントが寄せられた。多くは米国の中華テイクアウトとの違いに驚く米国人からの書き込みだった。これに対して誇り高き英国人が反論し、激しい攻防が繰り広げられた。

特に論議を呼んだのは、フライドポテトにカレーをかけたメニューだ。米国から「とこが中華料理なのか」とツッコミが入った。

「ジャージャウ」から「スパイスバッグ」まで

英国初の中華料理店は1908年、ロンドンにオープンした。この店の記録はほとんど残っていないが、メニューには広東風のチャーハンや酢豚、八宝菜に似た「チャプスイ」などが載っていたとみられる。

英国で定番となっている中華料理のテイクアウトセット。塩コショウのフライドポテトにカレーソースが付いてくる/Louise Hagger for CNN

今も英国で出される中華料理の多くは広東風で、北京や四川の影響も受けている。

代表的な例は、北京ダックに似た「クリスピー・ダック」、牛肉に甘辛くとろみのあるソースを絡めた「クリスピー・チリ・ビーフ」、衣をつけて揚げた鳥肉と甘酸っぱいソースの「スイート・アンド・サワー・チキンボール」、えびのすり身を食パンに塗り、ごまをまぶして揚げた「セサミ・プローン・トースト」などだ。

どの移民料理もそうであるように、英国の中華料理は英国人の好みや、手に入る食材に応じて進化した。英国料理の「フィッシュ・アンド・チップス」に入っている厚切りのフライドポテトが良い例だ。

イングランド北部マンチェスターにある中華料理店「スイート・マンダリン」の3代目オーナー、ヘレン・ツェさんによれば、この進化を完璧に体現しているメニューが「塩コショウ味のフライドポテトとカレーソース、卵チャーハン添え」だという。

一部の街には独自のメニューもある。例えばロンドンならではの「ジャージャウ」。チャーシューとショウガ、青ネギなどの野菜を炒め、濃厚なトマトソースを絡めた料理だ。

右側の料理が豚肉と野菜をいためた「ジャージャウ」だ/Louise Hagger for CNN

「スパイスバッグ」(塩と唐辛子で味つけしたフライドポテトと鳥肉、野菜にさまざまなスパイスを加えた料理)は、典型的なアイルランド式中華だが最近ファンが増え、今では英国各地に広がっている。

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