トランプ氏のカナダ併合発言は「かく乱戦術」=カナダ首相
1月8日、カナダのトルドー首相(写真)は、トランプ次期米大統領がカナダを併合する可能性に言及したことについて、トランプ氏の提案する関税の影響から人々の注意をそらすための戦術だと述べた。1月8日、カナダのリッチモンドヒルで撮影(2025年 ロイター/Carlos Osorio)
[オタワ 9日 ロイター] - カナダのトルドー首相は8日、トランプ次期米大統領がカナダを併合する可能性に言及したことについて、トランプ氏の提案する関税の影響から人々の注意をそらすための戦術だと述べた。
トランプ氏は7日、カナダを併合するための経済力の行使について検討していると発言。同氏は、カナダ政府が国境警備を強化しなければ、カナダからの輸入品に25%の関税を課すと表明している。
トルドー氏はCNNに対し、こうしたトランプ氏の発言について「交渉スキルの高いトランプ氏が、そうした発言によって人々の注意をそらしているのだと思う」と述べた。
同氏は「仮にトランプ氏が関税を導入すれば、石油やガス、電力、鉄鋼、アルミニウム、木材、コンクリートなど米国がカナダから輸入する全ての品目は、突如として大きく値上がりするだろう」と訴えた。
さらに同氏は、トランプ氏がカナダに対して関税を導入すれば、カナダも報復措置を取ると改めて表明した。ただ、こうした事態は「カナダの物価をつり上げるとともに、わが国の最も親密な貿易相手国を害することになるので、われわれは望んでいない」とも語った。
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