“愛子天皇”待望論を徹底無視する政府の“皇族数確保策”に識者が喝! 旧宮家も「もう関係ありませんから」
これで本当に、皇統が断絶する危険性は避けられるのか――。 6月10日、衆参両院議長らがとりまとめた「皇族数の確保をめぐる立法府の総意」。(1)「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ」、(2)「戦後、皇籍離脱した旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える」の2案が「いずれも了」として、11日、高市早苗首相に手渡された。 【写真あり】「髪型可愛らしすぎる」ネット歓喜した愛子さまの“ハーフアップ姿” 「皇室の方々は現在16方。うち女性が11方です。(1)案は、独身の女性皇族が結婚して皇族を離れればさらに減ってしまうため、結婚後も皇族として認めようというものです。一方、(2)案は約80年前に皇籍を離れた旧11宮家の男系男子を養子として皇族に迎え入れ、現在5方しかいない男性の皇室の方々を少しでも増やそうというものです。しかし、これらの方策によって実際に皇族数が増えるのかどうか、まったく確証はありません」(宮内庁担当記者) では、専門家はどうみるか。皇室研究家で神道学者の高森明勅さんは、こう問題点を指摘する。 「まず、とても『立法府の総意』といえるものではないということです。13の党派が集まって全体会議を続けたわけですが、そのうち賛成に回ったのは7党派だけ。『日本国民の総意に基づく』という天皇のお立場に鑑みれば、前回の特例法のように国会での『全会一致』を目指すべきなのです。その意味で、今回の全体会議は失敗だったと言わざるを得ません」(高森さん、以下同) そもそも議論の土台となった政府案が“あまりにお粗末”だという。 「第一に、本来の課題であった『安定的な皇位継承』については、まったくの白紙回答でした。つまり、女性・女系天皇を認めるかどうかという、安定的な皇位継承のための議論がまったくなされていない。第二に、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つのはいいとしても、その配偶者とお子様を『国民』とするという、近代以降では前代未聞の家族のあり方を押し付けようとしていることです。日本の社会で唯一、家族で身分が違うという異例の扱いを政府案として押し付けようとしているわけです」 もっとも問題なのは、旧宮家の男系男子を養子として迎え入れる第2案だという。 「あまりに無茶な案なので、批判が多いのも当然です。民間人の養子に皇族の身分を与えるなどということは、皇室の長い長い歴史の中でも、まったく前例がないことです。混乱を招く可能性が十分予想されるので、明治の皇室典範から今の皇室典範、そして小泉内閣の有識者会議の報告書でも『弊害が多い』ということで否定されていました」 旧宮家で皇籍を離脱した者が皇統に復帰できるという前提自体に、高森さんは疑問を呈する。 「明治憲法下の美濃部達吉の憲法教科書などをみれば、『皇籍を離脱した者は、もはや皇統に属さない』と書いてあります。政府は『皇統に属する男系男子を養子縁組する』と言っているわけですが、近代憲法下の通説では旧宮家はすでに皇統には属しません。政府の説明は正当性に重大な疑義があるわけですが、そうした養子案を無理やりに押し込もうとしているのです。しかしもともと問題が多い案なので、選挙対策などで与党は第1案と主張していたものの実際の取りまとめでは慎重な扱いになるなどトーンダウンしました」 そして、未婚の女性皇族がいるのに民間人との養子縁組を持ち出すのは皇室に対して“非礼”ではないかと高森氏は憤る。 「現に愛子さまや佳子さまなど未婚の女性皇族がいらっしゃって、お若くて、これから結婚されてお子様も生まれるかもしれないという状況の中で、親の代から国民である旧宮家の民間人を養子に取るというのは、ものすごく本末転倒で失礼な話です」 さらに、こう問題点を指摘する。