芸人、映画監督、ANA機長も 「立場の差」利用した性犯罪とは

裁判Plus 司法のリアル

毎日新聞 2026/3/25 05:00(最終更新 3/25 09:03) 有料記事 1978文字
写真はイメージ=ゲッティ

 お笑い芸人と番組参加者、映画監督と出演俳優、飛行機の機長と客室乗務員(CA)――。

 これは近年、検察が起訴した性犯罪の加害者と被害者の関係性だ。

 かつては声を上げづらかった上下関係のある性被害が、犯罪として認定される社会へと変わりつつある。

「勤務終了後にセクハラ」

 「機長としての影響力によって業務上の不利益が生じると憂慮させたことにより、同意しない意思を表明することが困難な状態にさせた」

 これは不同意わいせつ罪に問われている全日本空輸(ANA)の40代男性機長の起訴状に記載された文言だ。

 被害者は同僚のCA。男性機長は2023年10月、未明の高松市の路上で着衣の上からCAの尻を何度も触るなどわいせつな行為をしたとされる。

 毎日新聞がこの男性機長の名前を示してわいせつ行為の有無を質問したところ、ANAは「過去に勤務終了後、運航乗務員が客室乗務員にセクハラを行ったことを確認した」と回答した。

 機長の認否や事案の詳細、具体的な処分内容は明らかにしなかったが、被害は旅客業務が終わったあとに起こったとみられる。

 年功序列や社会的な上下関係が重視されがちな日本社会では、上位の地位の人に対して、下位の人が「本音」を言いだしづらい特徴がある。

 性被害やセクシュアルハラスメントも同様で、我慢を強いられる女性は少なくない。

 こうした「無言の訴え」を救済すべく23年6月に刑法が改正された。

 キーワードは「立場の差」の利用。ANAの男性機長の事件は、明確化された性犯罪の要件で立件されたケースに当たる。

元「ジャンポケ」斉藤被告の公判でも

関連記事: