USスチール買収、「審査結果待ち」とホワイトハウス 日鉄副会長が訪米
同買収計画は対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障の観点から審査を継続しており、月内に結果が出る見通し。ホワイトハウスの報道官は10日、審査結果を踏まえてバイデン大統領が是非を判断を決定すると説明した。バイデン氏は買収に依然として反対の立場だとも述べた。
同報道官は「(バイデン)大統領は当初から、USスチールが国内で所有され、運営されることが不可欠との立場だ」とした上で、「大統領はCFIUSの手続きがどうなるか引き続き見守る。CFIUSの勧告は受け取っていない。手続きは現在も進行中だ」とした。
CFIUSは今月22日までに計画を承認するか、阻止するか、審査期間を延長するかを決定する必要がある。CFIUSはロイターの取材にコメントを控えた。
USスチールは「地域社会、顧客、投資家、従業員はこの取引を強く支持しており、われわれはこの取引と法の支配の順守を擁護し続ける」との声明を出した。
バイデン大統領が買収阻止を決定した場合、日鉄とUSスチールは訴訟を起こす構えだ。
10日の米株式市場でUSスチールの株価は一時22%急落し、10%安で取引を終えた。取引が一時停止になる場面もあった。
林芳正官房長官は11日午前の会見で、買収が困難になる可能性について問われ、「個別企業の経営に関する事案」としてコメントを控えた。一方、日米相互の投資拡大を含めた経済関係の強化は互いにとって不可欠だとし「引き続き日米間で幅広く議論を行っていきたい」と語った。
11日の東京市場で日本製鉄の株価は前日比12円安の3055円で午前の取引を終えた。
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Jasper Ward is a breaking news reporter in Washington. She primarily covers national affairs and U.S. politics. Jasper was previously based in The Bahamas where she covered the collapse of FTX and the subsequent arrest of its founder Sam Bankman-Fried. She was a part of the Reuters team that won the Gerald Loeb Award for breaking news for its FTX coverage.