トランプ氏、NASA長官に富豪を指名-民間宇宙飛行士として活動
- アイザックマン氏はスペースXの宇宙飛行士で決済処理会社のCEO
- 政策や契約に関してスペースXを優遇するとの懸念を引き起こす恐れ
トランプ次期米大統領は4日、航空宇宙局(NASA)長官に金融テクノロジー業界の富豪、ジャレッド・アイザックマン氏を指名すると発表した。
アイザックマン氏は長年にわたり、イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXの宇宙飛行士としても活動。約3カ月前には同社のエンジニアのサラ・ギリス氏と共に、史上初となる民間人による宇宙空間での船外活動を行っていた。
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指名が承認されれば、アイザックマン氏は予算約248億ドル(約3兆7300億円)のNASAと、米国が主導する有人月探査「アルテミス計画」を含む宇宙探査プログラムを統括することになる。
今回の指名は、NASAの政策や契約に関してスペースXを優遇するとの懸念を引き起こす可能性が高い。アイザックマン氏はスペースXの二つのミッションに個人資産を投じているほか、同氏が最高経営責任者(CEO)を務める決済処理会社シフト4ペイメンツは、スペースXに2750万ドルを出資している。
スペースXはNASAの最大のパートナーの一つであり、同局の入札にも頻繁に参加している。マスク氏は直ちにソーシャルメディアでアイザックマン氏に祝福メッセージを投稿した。
アイザックマン氏の会社シフト4ペイメンツは、飲食店やリゾート、ホテル、カジノ、スタジアムなどの決済処理を手がけている。マスク氏の衛星インターネットプロバイダー「スターリンク」も顧客の一つだ。
トランプ氏は4日、アイザックマン氏について「卓越したリーダーシップを発揮し、先駆的なグローバル金融テクノロジー企業を築き上げた」と自身のソーシャルメディアに投稿した。
原題:Trump Taps Billionaire SpaceX Astronaut to Run NASA (4)(抜粋)