LDLコレステロール値や中性脂肪値が高めのあなた、「スピルリナ」を試してみませんか?

テーマ:食と健康

脂質異常症とは、血中のLDL(悪玉)コレステロール[以後LDL-Cと記す]、HDL(善玉)コレステロール[HDL-C]、トリグリセリド(中性脂肪)[TG]の3項目の数値の異常です。厚労省の「患者調査(2021)」によると、脂質異常症で治療を受けている総患者数は約401万人(男性124万9,000人、女性276万2,000人)で、未治療の「疑いのある人」含めると、50歳以上の日本人約3,250万人の2人に1人が該当します。脂質異常症を放っておくと、主に心血管疾患(CVD)、すなわち心筋梗塞、脳卒中、高血圧、心不全、末梢動脈疾患などを発症し進行させてしまいます。そこで、食品医学研究所が独自に、どのような食材が脂質異常の改善に効果的なのかを明らかにするため、それぞれの食材による脂質異常の改善効果をシステマティックレビュー&メタ分析という統計手法で総合評価している論文の内容を精査した結果、3項目のそれぞれに対する食材ベスト3が判明しました。

高めのLDL-C値を下げる食材は、[1]スピルリナ(-33.16mg/dl)、[2]ブラッククミンシード(-18.45mg/dl)、[3]アボカド(-16.50mg/dl)の順でした。

なお、( )内の数値は分析に用いたデータの重み付き平均値で、概ね一日あたり1~3gのスピルリナを2~3ヶ月摂り続けた人の平均的な変化を表します。

低めのHDL-C値を高めるのは、[1]スピルリナ(+5.81mg/dl)、[2]にんにく(+3.19mg/dl)、[3]落花生(+2.71mg/dl)の順でした。

高めのTG値を下げるのは、[1]スピルリナ(-39.20mg/dl)、[2]アボカド(-27.20mg/dl)、[3]ブラッククミンシード(-15.73mg/dl)の順でした。

なお、スピルリナ(Spirulina)とは、シアノバクテリアと呼ばれる藍藻で、各種のアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を豊富に含むほか、抗酸化および抗炎症作用が超強力なフィコシアニン(青色の色素タンパク質)という生理活性成分も含んでおり、「スーパーフードの王様」と呼ばれています。インドのガンジー工科経営(GITAM)大学による臨床比較試験(Asian J Exp Biol Sci, 2010, 1(1), 36-46)によると、スピルリナを一日あたり1g、3ヶ月間の摂取で、上記3項目のすべてで有意な効果が認められました。イランのAJA医科大学によるシステマティックレビュー&メタ分析(Pharmacol Res, 2023, 193, 12pages)において、スピルリナが血中脂質を改善するメカニズムとして、上図に示すごとく、スピルリナの各種成分が肝臓において抗酸化能を高めてLDL-Cを下げたり、近位小腸でコレステロールの吸収を抑えたり、遠位小腸で胆汁の再吸収を抑制してLDL-CやTGの上昇を防いだりすることを挙げています。このように、定期検診などの検査でLDL(悪玉)コレステロール値やトリグリセリド(中性脂肪)値が高めと言われた方には、青のりのような風味の粒状のスピルリナの習慣的摂取を強くおすすめします。

食品医学研究所直営店『エビデンスショップ』でも、高品質で衛生管理の行き届いたスピルリナの販売を始めましたので、ご利用ください。

平栁要プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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