カナダの大規模山火事、煙が大西洋を渡って英国上空に到達

Joe Wertz

カナダで発生した大規模な山火事は、大西洋を越えて英国の上空まで煙が漂っている。

  英気象庁のジョージー・マイヤーズ氏によれば、煙の大部分は大気中に消散したが、わずかな煙が高高度の薄い層にとどまっている。地上の空気の質に影響を及ぼさないとみられるが、現地2日の夕方から翌日早朝にかけて、目に見える可能性はあるとした。

  マイヤーズ氏は「煙は高高度にとどまるため影響は予想されていないが、特別な夕焼けや朝焼けが見られる可能性がある」と述べた。

米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星「テラ」が中解像度撮像分光放射計(MODIS)を用いて捉えた、英国に向かって漂うカナダの山火事の煙

  カナダでは今回の山火事で2人が死亡。サスカチュワン、マニトバ、アルバータ3州で2万5000人以上が避難を余儀なくされた。一部で火勢が制御不能になっており、煙は米国全域にも拡散。健康警報を引き起こし、日光を遮った。

  マイヤーズ氏によれば、山火事の煙が大西洋を渡って英国に到達すること自体は珍しくない。研究によると、2023年に発生したカナダの山火事は、大半の国の排出量を上回る温室効果ガスを大気に放出した。

原題:Smoke From Massive Canadian Wildfires Is Blowing Over the UK(抜粋)

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