前橋市長、チョコプラ…まるで火に油 謝罪のプロが指摘する共通点

定例記者会見で自身の問題について説明した小川晶・前橋市長=前橋市役所で2025年10月6日午後3時5分、加藤栄撮影

 おわびを申し上げます――。

 残り2カ月を切った2025年もまた、多くの著名人らが不祥事やトラブルを理由に頭を下げた。

 一方、謝罪の場での言動がさらなる「炎上」を招いたケースも珍しくない。

 危機管理コミュニケーションが専門の増沢隆太・東北大特任教授(63)は「謝罪の失敗には共通点がある」と話す。

 社会生活を営む上で欠かせない、「謝る」という行為。その本質とは。

回復できるダメージは「1割あるかどうか」

 企業の研修やコンサルティングを数多く手がけてきた増沢さんは、「謝罪のプロ」との異名を持つ。

 政治家やタレントから事後対応を相談されることも多いというが、「大前提として、何かをやらかした後に謝罪で何とかできるものではありません」と語る。

 「謝罪のやり方さえうまくできれば大丈夫だと。そう勘違いされる人もいますが、謝罪で回復できるダメージはせいぜい1割あるかどうかです」

 謝罪はあくまで信頼回復の第一歩に過ぎない。

 それでも真摯(しんし)に向き合うことで、次への道が開ける。

 そのことを理解することが、まずは重要だという。

男女関係は否定したが……

 ではその上で、具体的な事例を見ていきたい。

 まずはテレビのワイドショーをにぎわせていた前橋市の小川晶市長のケースからだ。

 ことの発端は週刊誌のスクープ。既婚者である部下の男性職員とラブホテルで「密会」していたと、すっぱ抜いたのだ。

 小川氏は9月24日に開いた臨時の記者会見で、「多大なるご迷惑をおかけ致しましたこと、深くおわびを申し上げます」と謝罪。

 職員とホテルを訪れたことを認め、その回数を「10回以上」とした。

 一方、相談や打ち合わせが目的だったとして男女関係を否定し、「誤解を招く軽率な行動であったことを深く反省しています」と釈明した。

「信じる方が難しい」

 この謝罪会見について増沢さんは「どう考えても説明に無理がある」と指摘する。民事裁判では、ラブホテルへの出入りは不…

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