前橋市長、チョコプラ…まるで火に油 謝罪のプロが指摘する共通点
おわびを申し上げます――。
残り2カ月を切った2025年もまた、多くの著名人らが不祥事やトラブルを理由に頭を下げた。
一方、謝罪の場での言動がさらなる「炎上」を招いたケースも珍しくない。
危機管理コミュニケーションが専門の増沢隆太・東北大特任教授(63)は「謝罪の失敗には共通点がある」と話す。
社会生活を営む上で欠かせない、「謝る」という行為。その本質とは。
回復できるダメージは「1割あるかどうか」
企業の研修やコンサルティングを数多く手がけてきた増沢さんは、「謝罪のプロ」との異名を持つ。
政治家やタレントから事後対応を相談されることも多いというが、「大前提として、何かをやらかした後に謝罪で何とかできるものではありません」と語る。
「謝罪のやり方さえうまくできれば大丈夫だと。そう勘違いされる人もいますが、謝罪で回復できるダメージはせいぜい1割あるかどうかです」
謝罪はあくまで信頼回復の第一歩に過ぎない。
それでも真摯(しんし)に向き合うことで、次への道が開ける。
そのことを理解することが、まずは重要だという。
男女関係は否定したが……
ではその上で、具体的な事例を見ていきたい。
まずはテレビのワイドショーをにぎわせていた前橋市の小川晶市長のケースからだ。
ことの発端は週刊誌のスクープ。既婚者である部下の男性職員とラブホテルで「密会」していたと、すっぱ抜いたのだ。
小川氏は9月24日に開いた臨時の記者会見で、「多大なるご迷惑をおかけ致しましたこと、深くおわびを申し上げます」と謝罪。
職員とホテルを訪れたことを認め、その回数を「10回以上」とした。
一方、相談や打ち合わせが目的だったとして男女関係を否定し、「誤解を招く軽率な行動であったことを深く反省しています」と釈明した。
「信じる方が難しい」
この謝罪会見について増沢さんは「どう考えても説明に無理がある」と指摘する。民事裁判では、ラブホテルへの出入りは不…