アマ竜王戦は荒田敏史さんが初優勝「6組では、まず1勝したい」…藤井聡太竜王「素晴らしい攻防」と称賛

 将棋のアマチュア日本一を決める第38回アマチュア竜王戦(日本将棋連盟、読売新聞社主催)の全国大会2日目が22日、東京都港区の「チサンホテル浜松町」で行われ、決勝戦で招待選手の荒田敏史さん(32)が、愛知代表の稲葉聡さん(39)を破って、初優勝した。ベスト4に進出した選手は、第39期竜王戦ランキング戦6組に出場する資格を得た。

アマ竜王戦で優勝した荒田さん(左)と記念撮影に臨む藤井竜王=西孝高撮影

 決勝は、互いに飛車を開始時の位置で使う「相居飛車」の戦型になった。両者とも慎重な指し手が続いたが、荒田さんが終盤の競り合いで抜け出した。

 荒田さんは茨城県石岡市在住の会社員。プロ養成機関「奨励会」の三段リーグに在籍したが、棋士にはなれなかった。昨年のアマ竜王戦では準優勝に輝いており、2年連続で決勝に進んだ。終局後、「最近の他のアマ棋戦でも好調だったが、優勝はできておらず、今回、勝ててよかった。奨励会の退会後は公式戦で勝てていないので、6組では、まずは1勝したい」と話した。

決勝戦を終え、感想戦を行う稲葉さん(左)=西孝高撮影

 大会審判長を務めた藤井聡太竜王(22)は「決勝は秒読みの中でもバランスのとれた素晴らしい攻防が続いていて、大熱戦だった」と話した。

 結果は次の通り。(左が勝ち、敬称略)

【決勝】

荒田 敏史 ― 稲葉  聡

【3位決定戦】

中川 慧梧 ― 木本 陸斗

決勝戦の棋譜

【決勝手順】▲荒田△稲葉

▲2六歩△3四歩▲7六歩

△4四歩▲4八銀△8四歩

▲2五歩△3三角▲7八銀

△3二金▲3六歩△8五歩

▲7七銀△2二銀▲7八金

△5二金▲4六歩△4三金右

▲3七桂△6二銀▲6九玉

△5四歩▲5六歩△4二角

▲5八金△4一玉▲4七銀

△3三銀▲9六歩△6四歩

▲6八銀△6五歩▲2九飛

△8六歩▲同歩△同角

▲8七歩△6四角▲4八金

△3一玉▲5七銀△6三銀

▲4五歩△7四銀▲4四歩

△同銀▲4五歩△3三銀

▲7七桂△6三銀▲5八玉

△7四歩▲6五桂△8五飛

▲9七角△同角成▲同香

△6四角▲8六角△7五歩

▲同角△同角▲同歩

△6四歩▲5三角△4二金引

▲6二角成△5二銀▲4四歩

△7五飛▲7六歩△6五飛

▲4三歩成△同銀▲6三馬

△5五歩▲2四歩△同歩

▲2五歩△同歩▲6六歩

△8五角▲8一馬△7六角

▲6七桂△8五飛▲6三馬

△8四飛▲2五桂△7五桂

▲6八銀△8七桂成▲7九金

△2四銀▲7三馬△8一飛

▲7七歩△8五角▲6四馬

△5六歩▲同銀△5一飛

▲5七玉△2二玉▲5五桂

△5四銀▲4四歩△6七歩

▲同銀上△6三歩▲7三馬

△7一飛▲9五馬△7四角

▲6五歩△9七成桂▲6二馬

△8一飛▲4三歩成△同金直

▲同桂成△同金▲4四歩

△4二金▲5三金△5五歩

▲5四金△5六歩▲同銀

△5一香▲4三歩成△5四香

▲4四馬△2三玉▲5四馬

△4三金▲同馬△2二金

▲1五銀まで139手で荒田さんの勝ち

◆読売新聞オンライン将棋担当が語る将棋界ここだけの話

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