宇宙最大の大規模構造、想定よりももっと大規模だった(私たちも思ってたよりちっぽけな存在)
Image: NASA, ESA, Harald Ebeling (University of Hawaii at Manoa) & Jean-Paul Kneib (LAM)
ヘルクレス座・かんむり座グレートウォール。全長100億光年、今、人類が知る中で最も大きな宇宙の大規模構造です。
その大きなおおきなヘルクレス座・かんむり座グレートウォールが、思ってたよりもっと大きいかもという最新研究のお話。
人類の宇宙原理も変わる?
最新研究調査を行ったのは、ハンガリーはブダペストの公共サービス大学のIstván Horváth氏が率いるハンガリーチームとアメリカの研究員が参加したプロジェクト。
サイズ推定には、ガンマ線バースト(天文学上最も強い光を放つ現象であり、遠くからでも観測が可能)という現象が利用されますが、今回使われたのはそのガンマ線バースト542個のデータ。これらのガンマ線バーストの分布を調査したところ、赤方偏移がz = 0.33からz = 2.43の範囲にまでわたる可能性があることがわかりました。つまり、思ってたよりもっと大きいかもしれないとね。
宇宙大規模構造は、最大370メガパーセク(およそ12億光年)ほどだと言われており、今回の調査が事実だとすれば、想定最大値よりもはるかにとんでもなくハチャメチャに大きいことになります。
人類にとってはまだまだ未知の世界である宇宙。とある構造が思っていたよりも大きかったとして、何がどうなるのでしょう。
ヘルクレス座・かんむり座グレートウォールはあまりに大きく、観測可能な宇宙の10.7%に相当します。ゆえに、そのサイズは現在の宇宙物理学や宇宙原理に影響を及ぼす可能性があるのだそう。
では、一般の私たちにはどんな影響があるのかというと…。広い夜空を見ていて、私はなんてちっぽけな存在だろうかと思いますが、それが思ってるよりもっとちっぽけな存在なのかもってことですね。つまり、くよくよすんな!
論文(査読前)は、論文サイトarXivで公開されています。