「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】(NEWSポストセブン)

 そんななか、7月12日に放送された『報道特集』(TBS)における、キャスター・山本恵里伽アナウンサー(31)の発言が注目された。山本アナは、番組の終盤で次のように語りかけた。 「実際、外国籍の人とまったく関わらずに生活している人って実はほとんどいないと思うんです。学校の友達だったり、職場の同僚だったり」「自分の一票がひょっとしたらそういった身近な人たちを脅かすものになるかもしれない。これまで以上に想像力を持って投票しなければいけないなと感じています」  この発言に対して、「特定の政党への投票をためらわせているのでは」との声が殺到。くわえて、参政党は「不当な偏向報道」と猛抗議する事態にまで発展した。コメンテーターとして活躍中であり、エジプト出身のタレント・フィフィ氏(49)は、この騒動をどう見たのか──。  * * *  ただ目の前の問題として、オーバーツーリズムや外国人による事件などのニュースが毎日のように溢れていて、それに危機感を抱くのは当然のこと。国の安全保障上、重要なところも規制できない、隙を与えてしまっている日本政府に怒っている人も多いはず。  だから「日本人ファースト」という言葉について、賛否両論が巻き起こるのも当然の事象でしょう。でも、マスメディアがこれを批判する時には、中身の議論からさらに先へ進んでいるような気がするんです。

 今の時代、SNSを情報源のひとつとしている人たちは、別にテレビだけを“情報を得るツール”として見ていない。でも、こうした発言があると、「じゃあ、あなたたちはどうなんですか」「偏向報道してませんか」などと一部の人は疑問を持つでしょう。  テレビが“オールドメディア”と呼ばれるようになって久しいですが、単純に、それだけ新たなメディアが増えてきているということ。特に若者たちは、情報収集する際の選択肢がたくさんある中で、「必ずしもSNSがすべて正しいわけじゃない」とわかりながらも、さまざまな情報を取捨選択している。  そして考え抜いた末に「『日本人ファースト』は間違ってないんじゃないか」と判断し、投票という形で行動に移そうとしているなかで、そうした意見を弾圧するような発言がテレビの中から飛び出してくる。  これに違和感を抱いたり、気持ち悪さを感じたりした人たちの思いが“山本アナ”に対して向かったのだと思います。  今回の参院選では、「外国人の受け入れ」を巡る議論をキッカケに、旧体制的なものへの反抗心が出てきているように感じています。必ずしも外国人に対してだけじゃなくて、政府への不信感やメディアに対する反発も、露骨に噴出するかたちとなった。  徐々に「SNSなどの新たなメディアvsオールドメディア」の様相を呈してきた気がします。  私はなにも、参政党を応援しているわけじゃない。ただ「一石を投じたな」とは思っているんですよ。テレビとは違うところで勢いづいてきた、SNSで盛り上がって力をつけてきた、というのは、どの政党であれ面白い結果。“リテラシー”という観点で別の議論があるのは当然として、有権者の情報源が大きく変わってきたことがわかる選挙でした。


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 今回の盛り上がり方は、2024年東京都知事選の「石丸現象」も想起させます。あの時は参加できなかった人たちも、今回は国政選挙だから、さらに日本全国で盛り上がりが広がりを見せているのでしょう。  とはいえ、10代や20代の若者の投票率はまだ低いから、どこまで響く結果になるかは分からない。でも、投開票の結果はすごく興味深く見ていこうと思っています。  選挙って、本来“お祭り”的なところがあると思うんです。アメリカとか韓国では、自分たちで大統領を選ぶから、一大イベント化するんだけど、日本の選挙もそれぐらい盛り上がってほしい。それで若者たちの投票率も上がっていけば、より良い国になっていくでしょう。今回の選挙では「ようやくSNSからもいろんな声が聞こえてきた」くらいのものだけど、期日前投票率は実際以前より上がっているみたいですし、良い傾向ですよね。  たとえば、藤田ニコルさんが「期日前投票へ行きましょう」と呼びかけてくれたのは、良かったと思います。若者に響きやすいし、「意識を高く持つのって大事なんだ」って思ってくれる方がいいからね。

NEWSポストセブン

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