美術館の来館者、展示作品の椅子に座る 監視カメラに破損の瞬間 25年イタリア

展示作品の椅子に来館者が座る、破損の瞬間 伊美術館

(CNN) オランダの画家ビンセント・ファン・ゴッホの最も有名な絵画の一つから着想を得たクリスタルで覆われた椅子が、深刻な損傷を被った――。イタリアの美術館で昨年、そんな出来事があった。美術館の発表によると、観光客1人が写真撮影のために座った際に破損したという。

伊北部ベローナのパラッツォ・マッフェイが公開した映像には、同美術館の「ゴッホ」の椅子と共に男女が交代でポーズを取る様子が映っている。

ここで男性が椅子に腰掛けたところ、座面と前部の脚2本が破損した。その後、女性が男性を助け起こし、2人は急いで部屋を出て行った。

イタリア人アーティスト、ニコラ・ボッラのこの作品は、ゴッホの1888年の絵画「ゴッホの椅子」にインスパイアされたものだ。この絵には、タイルの床に置かれたシンプルな木製の椅子が描かれている。

ボッラが現代的な解釈に基づき2006年から07年にかけて制作した当該の椅子は、宝飾品大手スワロフスキーの手掛けた何百ものクリスタルで覆われている。

美術館のバネッサ・カーロン館長は、ソーシャルメディアに投稿された動画の中で、「彼らはスタッフが展示室を出るのを待っていた」「ことが起きた後、彼らはその場から立ち去った。どんな事態になったか気にもかけずに」と述べた。

監視カメラの映像に言及し、カーロン氏は「現実のものでなければ馬鹿げた状況に見えるが、残念ながら実際に起きたことだ。どの美術館にとっても究極の悪夢に他ならない」と語った。

当初、美術館はその繊細なデザインから椅子の修復は不可能ではないかと懸念していたが、修復師たちは「素晴らしい仕事」をしたとカーロン氏は説明。「幸いにも、作品は再び輝きを取り戻している」と言い添えた。

パラッツォ・マッフェイは25年6月12日、4月に起きたこの件の監視カメラ映像を公開。美術品に敬意をもって接することの重要性を来館者に喚起した。

「芸術は単に鑑賞するものではなく、愛するもの」と、美術館は強調している。

近年、他の美術品でも作品が来館者からの被害に遭う事案が発生している。

この年の4月にはオランダの美術館で、数千万ドルの価値があるとされるマーク・ロスコの絵画が、訪れた子どもによって傷つけられ、展示から外される出来事もあった。

本記事は2025年6月17日初出の記事を再編集して掲載したものです。

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