ラガルド総裁、ユーロ圏内での政権崩壊はどの国であれ懸念材料

William Horobin

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏内で政権が崩壊する事態はどの国であっても懸念材料だと述べた。総裁の出身国であるフランスでは首相が来週、不信任投票によって退陣に追い込まれる可能性が高まっている。

  バイル首相による歳出削減と増税を柱とした予算案に野党が支持を拒んでおり、政府は8日に辞任を迫られる見通しとなっている。

  ラガルド総裁は1日、フランスのラジオ・クラシークとのインタビューで「ユーロ圏内のどの国であっても、政権崩壊のリスクは懸念すべきことだ」と述べた。その上で、「市場はリスクを評価するものであり、ここ数日で国別リスクが高まっているのが見て取れる」と語った。

  欧州最大の財政赤字を抱えるフランスが、深刻な政治的分裂の中でどう対処していくのかという不透明感を背景に、先週はフランス国債が売られ、ドイツ国債との利回り格差は今年1月以来の高水準に拡大した。

  元フランス財務相でもあるラガルド氏はフランスについて「信頼されている借り手」だとしつつも、現在はリスクを伴う国と見なされつつあると指摘した。

  「私はスプレッドを非常に注視している」と語り、「フランス国債の上乗せ利回りは大きくなっており、現在はイタリアのすぐ下に位置している。これは数四半期前までは見られなかったことだ」と述べた。

  ラガルド総裁は、債務への対応はすべての国にとって重要だと強調したが、そのための政治的手段についてはコメントを避けた。

  「持続可能な債務を目指していること、国家や地方自治体、そして国全体の資金調達を可能にする金融市場での信頼性があることを示すためには、財政面での規律が必要だ」と語った。

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原題:Lagarde Calls Any Euro Area Government Collapse ‘Worrying’(抜粋)

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