ロボットはなぜ「空間を理解できない」のか--その壁を崩す中国スタートアップに資金が集まる理由(36Kr Japan)

人型ロボット(ヒューマノイド)を中心とするエンボディドAI(身体性を持つ人工知能)産業が発展する中、空間知能の技術を開発するスタートアップ「無穹創新(Skyland Innovation)」が急速に存在感を高めている。 いつでも確認できる空間データの動画などはこちら 同社はこのほど、追加のエンジェルラウンド、プレシリーズA、プレシリーズA追加ラウンドの3度にわたり、合わせて数千万元(数億円)を調達した。出資には、ドローン世界最大手DJI誕生に貢献した李澤湘教授が率いるXbot Park、長江商学院の甘潔教授が設立したファンド・知行基金、元禾原点(Oriza Seed)、金沙江聯合資本(GSR United Capital)などが参加。資金は主に、空間知能デバイス「MetaCam」の技術開発や海外市場の開拓などに充てられる。 無穹創新は2020年に広東省深圳市で設立され、クロスプラットフォームの空間知能ハードウェアを通じて、人間・ロボット・AIが空間データを共有・活用できる環境を構築している。創業者の潘傑氏は、DJI誕生の原点となった香港科技大学(HKUST)「3126ラボ」の出身だ。 同社は、空間測位や環境認識、自然言語理解、意思決定・計画立案、自律制御などの分野を網羅するマルチセンサーフュージョンのアルゴリズムを独自に開発し、オープンソース化した。アルゴリズムは、膨大な実データを用いた継続的な学習と改良を通じて、さまざまなシーンへの適応力が向上し、高い汎化性能と環境変化への強い適応力を備えている。

このアルゴリズムは、同社が独自に開発した空間知能デバイス「MetaCam」に導入されている。同デバイスは、LiDAR、魚眼カメラ、RTKモジュール、慣性計測ユニット(IMU)などを統合したセンサーが組み込まれ、車輪型・歩行型・ヒューマノイド・ドローンなど、あらゆる形態のロボットに搭載できる。また、GPSが使えない環境でも自律移動できるようにし、屋内などの複雑かつ動的なシーンで、高精度な自己位置推定と自動経路計画が可能になる。 同社がリリースしたハンディ3Dスキャナ「MetaCam Air 2」は、環境認識と自然言語理解を組み合わせることで優れた空間把握能力を発揮する。ユーザーはこれを手に持ち周囲をスキャンすれば、リアルな空間を高い精度で再構成でき、従来の測量・3Dモデリング作業と比べ、効率が15~20倍向上するという。 「MetaCam Air 2」は、空間の細部に至る全ての情報をデジタルツインとして保存できることが最大の特徴で、ユーザーはいつでも任意の空間データを確認できる。「MetaCam Air」シリーズの納品台数は数千台に上る。 エンボディドAI分野では、空間の実データを取得するコストが高く、有効なデータの不足が課題となっている。「MetaCam」は、ロボット開発シミュレーションプラットフォーム「Isaac Sim」などにも対応し、マルチビューやマルチモーダルなシミュレーションデータを生成可能だ。潘氏は、ロボットメーカーやデータ生成企業に、コストパフォーマンスに優れた実データ収集ツールを提供できると説明した。 「将来的には、世界を記録する手段が平面ではなく3D、さらには4Dになるだろう」と話す。さらに、空間知能が人間やロボットによる空間データのやり取りを加速させると考えており、そのためにも同社は3D世界を理解することに注力しているという。 *1元=約23円で計算しています。

36Kr Japan
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