ビットコイン「バブルに程遠い」、74万ドル到達も-パンテラ創業者

暗号資産(仮想通貨)ビットコインの記録破りの高騰はまだ始まったばかりかもしれない。ビットコインにプロとして最も早くから投資している米投資家の1人、ダン・モアヘッド氏がこう予想した。

  モアヘッド氏はインタビューで、パンテラ・キャピタル・マネジメントが11年余り前にビットコインファンドを始めた当時について、「2013年にわれわれは頭がおかしいと本当に考えられていた」と述べ、「今でも非常に否定的な人は大勢いる。だからこそ私は強気だ。否定的な人はまだ多い。バブルとは程遠い状況だ」との見方を示した。

  パンテラの創業者でマネジングパートナーのモアヘッド氏は同ファンドについて、13年7月の運用開始以来のリターンが13万2118%に達したと投資家宛ての書簡で26日に明らかにした。

  同氏はまた、ビットコインの「15年にわたる規制の逆風が追い風に変化しつつある」ことから、価格が最終的に74万ドル(約1億1300万円)に達する可能性があると予測。トランプ次期米大統領が暗号資産に好意的な姿勢を示していることを最大の成長要因の一つとして挙げた。

パンテラの創業者兼マネジングパートナーのモアヘッド氏(2023年)

  パンテラ最初のビットコインファンドは、米投資家に暗号資産エクスポージャーを提供した初のファンドだと考えられている。

  13年の運用開始当時、ビットコイン価格は74ドルだった。先週末には10万ドル台乗せを試す展開となった後、26日に9万2000ドル前後で取引された。年初来では約120%上昇している。

  元タイガー・マネジメント幹部のモアヘッド氏は、新たなベンチャーファンド「パンテラ・ファンドV」でプライベートトークンなどブロックチェーン分野の多くの資産に投資することを検討していると明らかにした。

  ブルームバーグはこの新ファンドが10億ドルの調達を目指していると4月に報じていたが、モアヘッド氏はこれを認めた。パンテラによる直近のブロックチェーンファンドは2年余り前に約12億5000万ドルを調達している。

  モアヘッド氏はまた、トランプ氏が打ち出したビットコインの国家備蓄創設構想について「合理的」との考えを示した。

  米政府の準備金として金を保有することは「富の保存方法としては信じられないほど狂気じみたやり方だ」とモアヘッド氏は主張。「その資金の一部をビットコインに投資すれば、準備通貨を保有する素晴らしい方法となる。長年にわたり大きく値上がりするだろう」と語った。

原題:Bitcoin Is ‘Far From Being a Bubble,’ Pantera’s Morehead Says(抜粋)

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