S&P500種は来年にかけて16%上昇、モルガンSのウィルソン氏が強気予想
- 26年末までにS&P500は7800ポイント前後で取引へ-堅調な企業利益で
- 米当局が予想以上にタカ派的なら短期的にリスクの可能性と警告
米モルガン・スタンレーの米国株チーフストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は、堅調な企業利益を背景に、S&P500種株価指数が来年にかけて16%上昇すると予測した。
ウィルソン氏によれば、S&P500種は2026年末までに7800ポイント前後で取引されると見込む。これはブルームバーグが調査するストラテジストの中でも最も強気な見通しの一つで、同指数が4年連続で2桁上昇を記録することを意味する。
同氏はリポートで「同指数で出遅れた分野の多くを中心に、新たな強気相場と利益成長の局面にいる」と指摘した。S&P500種採用企業の1株当たり利益は今後2年間でそれぞれ17%と12%の増加が見込まれている。その要因は、企業の価格決定力の強化や人工知能(AI)がもたらす効率性の向上、緩和的な税制・規制政策、安定した金利水準を挙げた。
ウィルソン氏は、米国が幅広い関税措置を示した4月に株価が下落した際も強気見通しを維持した少数派だった。その後、トランプ大統領が貿易戦争をトーンダウンすると、S&P500種は最高値を更新した。
7-9月(第3四半期)の企業決算が予想よりも大幅に良好だったことから、米国株は変動が激しかった今年の終盤を最高値付近で迎えている。投資家は、AI関連銘柄の高いバリュエーションや、米国史上最長となった政府閉鎖によるリスクに懸念を抱きつつも、経済成長への信頼を維持している。
S&P500種は、過去2年間にそれぞれ20%を超える上昇を記録した後、2025年はこれまでに14%上昇している。
ウィルソン氏はまた、米金融当局が予想以上にタカ派的な政策を維持した場合、短期的なリスクが生じる可能性があると警告。さらに、長期的には「過熱した」経済が再びインフレを呼び起こす恐れがあるとも指摘した。
原題:Mike Wilson Is Among Top Stock Bulls With Call for 16% S&P Rally
(抜粋)