スイスの株価指数、祝日明けの市場で下落-39%関税発表受け

スイス株は祝日開け4日の市場で下落。トランプ米大統領が1日、スイスからの輸入品に39%の関税を課すと発表、また製薬会社に薬価引き下げを迫ったことが懸念を呼んでいる。

  スイス株の指標、SMI指数はチューリヒ市場で一時1.9%安となった。チューリヒ時間午前10時15分時点は0.88%安に下げを縮めた。年初来では約1%上昇となっている。

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  2社合わせてSMI指数のおよそ30%を占める製薬大手のノバルティスロシュがそれぞれ0.7%安と1.4%安。UBSグループは1.8%安、カルティエを傘下に持つリシュモンは0.7%安となった。

  一方、ロンドン上場のウォッチズ・オブ・スイス・グループは、1日に6.8%下落した反動で2.7%反発。

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  スイス・フランは対ユーロで続落し0.3%安。1日はトランプ氏の発表を受けて0.5%下落していた。1日のスイス株式市場は祝日のため休場だった。

  シテ・ジェスティオンの投資戦略責任者、ジョン・プラサール氏は、「新たな関税発表による衝撃にもかかわらず、スイス市場の初期の下落は一時的な可能性がある」と述べた。

  「最近の動向を見ても、いかに激しいものであっても外的ショックがスイス経済に長期的なダメージをもたらすことはほとんどない」と付け加えた。

  医薬品は現時点で新たな関税の対象外となっているが、製薬業界も負担を強いられている。ロシュの米子会社ジェネンテックとノバルティスは、先週トランプ米大統領から薬価引き下げを求める書簡を受け取った世界の製薬大手17社の中に含まれている。

  オッドのプライベートウェルスマネジメント部門投資責任者のアルチュール・ジュルス氏は、「今週スイスで起きることは、4月初旬に米国が最初の関税発表をしたときと非常に似ている」と指摘。「特に医薬品に今後どのような関税が適用されるのかという見通しの不透明さが、大きな問題となっている」と述べた。

  ただ「スイス・フランが提供する安全資産としての特性が、株式市場への圧力をいくぶん和らげる可能性もある」と付け加えた。

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原題:Swiss Stocks Decline on US Tariffs, Push for Lower Drug Prices(抜粋)

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